<日本郵政>がん保険参入は見送り 協調融資で事業拡大
毎日新聞 [5/8 23:09]日本郵政の斎藤次郎社長は8日、毎日新聞のインタビューに応じ、医療保険や協調融資など金融子会社の新規事業拡大に意欲を示した。ただ、がん保険については「うまくいくか分からない」と述べ、当面は参入を見送る考え。日本郵政は金融事業の拡大で収益力を高める方針で、近く政府に新規事業の認可を申請する。
日本郵政グループの体制を見直す改正郵政民営化法が成立し、政府の認可を受ければ、ゆうちょ銀とかんぽ生命が新規事業に進出できる。例えば、かんぽ生命は現在、けがや病気に備える医療保険を、主力商品の養老保険に付随する「特約」として販売しているが、斎藤社長は「独立商品として売り出したい」と述べ、単品販売で契約を増やす考えだ。学資保険の保障内容見直しによる保険料引き下げも検討する。
ただ、医療保険の一種のがん保険については「(米保険大手の)アフラックが日本市場でシェアを握り、太刀打ちできない」とし、進出に慎重な姿勢を示した。かんぽのがん保険進出には、米保険業界などが「政府の間接出資が残る状態では、公正な競争を確保できない」と批判、日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加に影響を及ぼす懸念もあり、一定の配慮を示したとみられる。一方、ゆうちょによる他の金融機関との協調融資については「地方の信用金庫や信用組合に働きかけたい」と述べた。また「私どもは地域に密着しており、貸出先のことをよく知っている」と述べ、個人・中小企業向けの融資や住宅ローン参入にも意欲を見せた。
郵政グループの新規事業進出には、政府の郵政民営化委員会が実質的な許認可の権限を持つ。同委員会は従来、「政府関与の残る間は認めない」との立場だったが、8日に委員が改選され、許認可のハードルが低くなる可能性がある。