~竜戦争~


 今から500年前、まだこの世界に、いわゆる魔法が存在していた時代・・・

強大な魔法を操り、他国を次々に支配下に置いていく国の存在に人々は怯えていた。

バルザック帝国

黒い竜をモチーフにした国旗は、見るもの全てを圧倒する恐怖の象徴であった。

その支配を拒もうとしたのは万人に開かれた技術である“科学”に精通した国々だった。

優れた科学技術を持った国々は連合を結成し、バルザック帝国に対抗して白い竜を旗印に掲げた。

ここに“グラン・ザードの戦い”が幕を開けた。

 この戦争は、双方の竜の旗印から、俗に『竜戦争』とも呼ばれた。

 8年間続いた戦争は、世界をほぼ二分して争われた。

連合国側の最終目的は“竜の玉”だった。

竜の玉は魔法を使用するための魔力の源であり、その存在こそがバルザック帝国の強さの秘密であった

竜の玉を得ることは魔法を使えるようになるということ。

 それは世界を手に入れられるということを意味していた。

 この戦争の中、帝国軍に人々から“竜神”と称される男がいた。

 男は燃えるような赤い髪と、金色に輝く鎧を身にまとっていた。

彼には片方しか瞳が無かったが、竜にも勝るほどの強さ、猛々しさを備えていた。

そのただ一つの瞳は全てを燃やし尽くすように輝き、まさしく竜のそれであった。

ほぼ全ての軍を一手に任されていた男は、ある日突然その姿を消した。

“竜の玉”と共に・・・・・

 竜の玉を失った帝国軍の兵士たちは、軒並み魔法が使えなくなった。彼らには、もはや立ち向かう術はなく、あれほど長引いた竜戦争はあっけなく終わりを迎えた。

 竜の玉の紛失により、あらゆる魔法はこの世から消え去り、万能の魔法である科学の時代が到来した。

 それから500年・・・