母は、「認知症なんかじゃないから調べなくていい」、「私の周りでは、誰も検査したことのある人はいない」と言って受けなくて済むようにしたかったようですが、デイケア、ケアマネの方からも「一度調べておくと安心だから」と説得してもらい、本人も将来トイレの仕方がわからなくなったら嫌だ…というのがあって調べることを決意したようでした。
まずかかりつけの医師のもとで、世界的基準の認知症テストをやり、それは30点満点中29点。
そのテストで母は、やっぱり認知症じゃないという妙な自信が出てきました。
かかりつけ医は、この結果からで言えば、MRI検査だけでは認知症かどうかはおそらく判断できないから、脳の血流を測定する検査も受けた方がいいでしょう…ということで、2つ検査をしました。
結果は初期のアルツハイマー状態。
MRI で脳の左側頭葉、大脳の萎縮が確認されました。
脳の血流の悪さも確認されました。
萎縮度の数値で下記のように判断基準があります。
検査の結果、海馬傍回の萎縮は「VOI萎縮度」という数値で表れます。
1) 萎縮度0~1:アルツハイマー型認知症の可能性は低い。
2) 萎縮度1~2:若干の萎縮が確認できる場合、今後の経過観察と引き続きMRI検査が必要となります。
3) 萎縮度2~3:強い萎縮がみられる場合、アルツハイマー型認知症を発症している可能性は高まります。
4) 萎縮度3以上の場合:ほぼ確実に認知症を発症しているとみられ、認知症の治療が必要になります。
母の萎縮度は3.09。
上記の診断基準によると、認知症を発症している…となるところですが、
母の年齢は87歳。
この萎縮度は年齢が54〜86歳のデータベースをもとにしていて、87才は参考値となるのです。
かかりつけ医の解説によると、年なりの脳の萎縮もあるでしょう、ということでした。
(年齢が若ければ治療を始めるかもしれません)
認知症だった父の時は、約10年で私のこともわからない、トイレもオムツになりました。
今の母は、口頭の認知症テストでは全く問題なし。
お金に執着があって通帳の数字を見て安心して家計簿を無駄に毎日つけているので、計算はできますが
疑心暗鬼、物忘れが多い状態です。
10年後、母は97才。
本人はあと2〜3年生きればいい、なんて言っていますが、毎日カロリー計算して食べたものを記録して健康に気をつかっているので、もっと生きられると思います。
今後認知症がどの程度進むかは分かりませんけど、治療は特にしないで見守ります。
今は、母自身も自分の物忘れの多さに不安と、自分を認知症と認めたくない気持ちがある一方で、認知症を最大限利用して、自分でやるのが面倒くさくてやりたくないことを忘れたふりして人にやってもらおうという、そんな企みもできて…私たちは少々対応が難しいところです。
これからは、なんでも忘れたと言って人にやらせようとする母ですけど、手助けしてしまうと本当に何もできなくなってしまうので、冷たいようですけどできるだけ自分でできるように頑張ってもらおうと思います。
86才を超えての認知症検査はやらなくても…という医師もいると思いますが、
我が家の場合はやっておいてよかったです。
デイケアやケアマネジャーさんたちにとっても、母への対応の仕方の参考になるはずです。
今回もお読みくださりありがとうございました😊