海外で引越しというのはなかなか大変なことです。
引越すのが数ヶ月後というのであれば、少しずつ捨てたり、人にあげたり、最近ではネットのオークションのようなサイトで売るということもできますが、2週間以内に全ての物を片付けるには、よほど慣れた人でないとネットで売るというのは難しいでしょうし、ましてやスリランカでそれをやるのは至難の業です。
(タイでは、日本の中古品買取販売業者がいくつかありましたので、利用させてもらいました。
使用途中の香水や口紅までも買い取ってくれるのには驚きました。)
スリランカで引越しを伝えると…
私たちは、事情があって引越しをすぐ人に伝えることができませんでしたから、伝えたのは、ほんの数人のスリランカ人の友人だけ。
みなさん「洋服はありますか?」
「衣装ケースはありますか?」
「売るものはありますか?」
と聞いて来ました。
売るのではなく喜んで使ってくれる知人に差し上げたかったので、売る人はお断りしました。
日本から持って来たものの、日本製なのに、スリランカからは持って帰ってはいけない、飛行機に乗せられないものが多いので、日本に住んでいたことがある、日本の商品を使ったことがあるお友達にあげようと思い、家に呼びました。
最初は、使い古しの汚い物をもらってくれて申し訳ないと思っていたのですが…
お友達はだんだん態度が変わって来まして
部屋中を歩き回って、「これはもらっていい?」
「あれは?」と始まって、
「うちにはトラックがあるから、それでまたもらいに来てもいい?壊れた機械も全部直せるから欲しい。」
「日本のキッチン道具、ダイソーのいいよね、これいいかな?」「ティファールの鍋セットいいかな?」
「まだ2週間スリランカにいるから、この鍋とフライパンは持っていかないでね。」
私の洋服やカバンは、70Lの袋に2袋あって、私のサイズが着られる知り合いは、ドライバーさんのお嬢さん2人しかいないので、彼女たちにあげようと思っていたのですが…
「サイズが違っても直す人がいるし、貧しい人にあげるから」と一袋持っていかれました。
私は知り合いが喜んでくれるならと、捨てずに差し上げるつもりでいたのですけど、友人が部屋を見回して、根こそぎ持って行こうとするような態度に変わって来たので、何だか素直にあげたいと言う気持ちが薄れていってしまいました。
時間をかけずに物が片付くのはありがたいことではあるんですけどね。
貧しい人に施すからと言われると、断れないけれど、売ってお金にしそうだな…と言う気持ちも湧いて出て来て、複雑です。
さて
スリランカでもらって困るもの
なんだと思いますか?
フルネーム入りの
マグカップ
お茶をよく飲む人たちだからなのか、マグカップをよくもらいます。会社のマークが入ったお皿もね。
フルネームが入っていると人に差し上げられないじゃないですか…。
おまけに金の縁取りなんで、電子レンジでは使用不可なんですよ…。
スリランカ製の
ナイフセット
冗談抜きで新品でも切れないんですよ。
ですが、夫の会社ではそれを優秀な社員に賞品として配っていました。
刃物ですから気軽に捨てられないので、ずっと保管していたら、シリコンゴムの持ち手がベタベタになっていました。
スリランカの道路を走っていると、壁にもたせかけるようにして不用品が売られていることがあります。
日本人が見たら、鉄屑にしか見えない錆びたものも普通にガレージセールとして売っています。
そんな光景を見てしまうと、どんなものでも下さいと言われるのもわかる気がします。
スリランカに住んでいる方は、時々トラックが拡声器を使って「◯◯ガンナワー、××ガンナワー」と言いながら走るのを見たことがありませんか?
昔は何だろう?と全くよくわからなかったのですが、最近やっと分かりました。
廃品回収 でした。
シンハラ語の先生によりますと、お金には変えてはもらえないけれど何か物に変えてくれるのだそうです。トイレットペーパーとかね。
(日本の古紙回収と同じですね。)
今日の日本のニュースでは、年末の大掃除で出た
粗大ゴミを捨てるのを控えてください
という自治体が多いことをやっていました。
スリランカでは大きいゴミはいつ捨てていいのかさっぱりわからないし、捨て方、分別の仕方もどうするのがいいのかよくわかりません。
しかしながら、日本のように大きい物を捨てるのにお金を払わなくてもいい、大量に捨ててもお金は払わなくていいのです。
だからと言って無闇に捨てるのは、ゴミ処理能力が少ないスリランカにゴミを押し付けているようで心苦しい。
でも
スリランカで誰かに喜んで使ってもらって身軽になれるのでしたら、ありがたいことです。
捨ててばかりの罪悪感からは少し救われました。
物は一つ買ったら一つ捨てるのが
鉄則ですね。
身に染みました。
エピソード1693
今回もお読みくださりありがとうございました😊