今日のような、なまじっか涼しい日は、オフィスなどの室内は逆に真夏よりも暑いことも多々ある。
真夏ははクーラーをかけているから室内は涼しいが、こういう日は暖房をつけているところもあるからだ。
人一倍汗かきの俺は、トレーニングのときの汗の量は半端じゃない。
今日はスポーツクラブは暖房を入れてたようだ。そのため、ランニングマシンで真夏以上の汗をかいた。
大体3㎞を越えたあたりから汗が噴出し、マシンの周辺に汗が飛び散る。
それも自分が使ってるマシンよりも、なぜか隣の、特に右隣のマシンに汗が飛び散る。
そのようなときに、右隣のマシンに若い子が来てウォーキングを始めた。
見ると、案の定そのマシンの下端には俺の汗が点々…… やばい。
トレーニングを終えたあとは、備え付けのタオルで汗をふき取る。誰から言われるともなく定まっている暗黙のマナー。
しかし、自分が使ったマシンが、自分でなく隣のやつの汗で汚れていた部分があったらどう反応するか。
おそらく、ゲっ!となって拭かずに去るであろう。
だから、できれば俺のほうが先に終了して、俺が汚した部分をさりげなく速やかに拭き取っていきたいと思った。
ただ、それのために予定より早くやめるのやトレーニング内容を変更するのも悔いが残る。
やろうとしてた時間まであと5分くらい。なんとか持ち堪えさせよう。
その子は今始めたばかりなのだから、まさか5分もやらないで終わりにはしないだろう。
しかし、俺のほうがあと1分くらいで終了というところまできたとき、その子はストップしてしまった。
まさに、あちゃー…である。でも彼女は使用時間5分足らずで、しかもウォーキングだからまったく汗はかいてないはず。
したがって、タオルでマシンの拭き取りをする必要を感じずにこのまま引き上げるのではないかと思った。
ところが、タオルを手に取り、まさに俺の汗が点々……と飛び散って汚れたところを拭き取りにかかる。
思わず、「あ…そこはいいですよ…」と声をかけた。
「いえ、いえ」と言って、笑顔で手際よく拭き取ってあがっていった。
いつだか忘れたが以前も全く同じ状況があった。そのときは中年のおばちゃん。その人は汗の点々をみて、
ほんの一瞬、ゲっ!となって、そして迷った。結果、拭かずに帰った。鈍い俺でもそのリラクションは否応なく見てとれた。
自分が使ったマシンが、自分ではなく隣の人が汚した部分について、汚した人でなくマシンの使用者が拭き取るべきだとはもちろん言わないし、思わない。
汚した人が処理するのが正当だろう。ゲっ!と思われてもしょうがないし、上記のおばちゃんの対応も致し方ないとは思う。
しかし、今日の、今回の、あの子の対応、これは感動の一語。
どこの馬の骨だか分からないやつの汗を拭き取ってくれた。
こういうときは素直に感動しよう。そしてその感動を力に変えよう。
そして、その子に幸せあることを祈って。