もしこの文章を誰かが読んでいる頃には、自分はひょっとしたら、長い旅の途中にいるのだと思います。
自分はずっと、「普通」に生きようとしていました。
仕事をして、人と関わって、失敗しないように気を張って、ちゃんとした人間に見えるように頑張っていました。
でも、本当はいつも息苦しかった。
周りにはうまく言えなかったけれど、頭の中では嫌な記憶や不安や強迫的な考えが何度も繰り返されていて、気づけば“力を抜く”ということ自体を忘れていました。
人からの言葉を信じたくても、どこかで疑ってしまう自分もいました。
褒められても、本当にそう思われているのか分からなかった。
頑張っても空回りしているように感じて、いつからか、「自分はここに居ても意味がないのではないか」と思うことも増えていました。
そんな中で、薬を飲んだ時だけ、自分を楽にしてくれる感覚がありました。
深い海へ沈んでいくような静けさ。
雨音だけが響く夜みたいな感覚。
高い空の少し暗い場所で、身体の重さを忘れて浮かんでいるような感覚。
それは“幸せ”とは少し違ったのかもしれません。
でも、自分にとっては初めて、「もう頑張らなくてもいい」と思えた瞬間でした。
自分は、本当に消えたかったわけじゃないんだと思います。
ただ、重すぎるものから離れたかった。
ずっと抱えていた不安や孤独や緊張を、どこかへ置いていきたかった。
空を見上げるのが好きでした。
夜の静かな時間も好きでした。
飛行機よりもっと高い場所へ、光みたいに一瞬で抜けていけたら、どんなに楽だろうと思うこともありました。
でも、本当に求めていたのは“高さ”じゃなくて、「安心」だったのだと思います。
誰かに、「もう大丈夫だよ」と言ってほしかった。
「頑張ったね」と言ってほしかった。
何も成し遂げていなくても、ただここに居ていいんだと思いたかった。
もし自分がいなくなったとしても、どうか必要以上に自分を責めないでください。
自分は最後まで、自分なりに生きようとしていました。
ただ少し、不器用で、疲れすぎていただけです。
願わくば、残された人たちが、自分のように“呼吸を忘れるほど頑張りすぎる”ことなく、少しでも穏やかに眠れる夜がありますように。
そしていつか、遠いどこかでまた静かな空を見上げながら、今度こそ力を抜いて呼吸ができたらいいなと思っています。
それでは。