労働条件の明示 | buddyjoeのブログ

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これから働こうとする方は、雇用契約書は無くさないようにしましょう。何事でもそうですが、特にお金が絡んでくる場合は絶対にその契約の証拠書類を残すべきです。あなたが就職する際も、雇用主とはしっかり雇用契約書を取り交わしましょう。どれだけ雇用主が信頼できる人間に見えても、書類は絶対に残しておくべきです。また、契約内容が更新される際には、その都度雇用契約書を取り交わさなければなりません。自動更新ではないですから、ご注意下さい。                                             

何かのトラブルが起きた時も、雇用契約書さえあれば解決できます。逆にこれがない場合、労働者と雇用主双方の言い合いになり、労働者にとって不利な状況に陥る可能性が高いです


使用者は、労働者の採用に当っては、後の労働トラブルを避けるため、雇用契約書又は労働契約書を取り交わす事が必要です。

労働基準法でも、「使用者は、労時契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」(労働基準法15条1項)と規定しています。
労働トラブルを避けるには,雇用契約書又は労働契約書の締結、就業規則の周知がポイントです。
これらの労働条件が明文化されず、口頭での説明の場合は、言った言わないの水掛け論となり、トラブル解決が長引きます。
                               





雇用契約書(労働契約書)を備える条件


(労働基準法及び同法施行規則では、雇用契約(労働契約)を締結する際に労働条件の明示事項として次の事項を定めています。この明示事項を文書で明示しない場合は、30万円以下の罰金に処せられますので、ご注意下さい。)
労働契約は、労働者が使用者の指揮命令に従い、時間で限られた一定量の労務を提供し、使用者がこれに対し一定額の対価の支払いを約束するものです。


労働基準法は、労働者保護の観点から「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定しており、労働基準法施行規則は使用者が明示しなければならない労働条件として、次のものを挙げています。

1.労働契約の期間

2.就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

3.始業・就業の時刻、休憩時間、休日、休暇、並びに労働者を二組以上に分けて交代勤務

させる場合の就業時転換に関する事項

4.賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期、昇給に関する事項

5.退職に関する事項(解雇の事由を含む 解雇の条件を列挙する等)

6.退職手当の適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算と支払いの方法の時期に関

する事項

7.退職手当を除く臨時の賃金等(見舞金、祝儀、香典等)及び最低賃金額に関する事項

8.労働者に負担させるべき食費、作業用品等に関する事項

9.安全及び衛生に関する事項 

10.職業訓練に関する事項 
 11.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項 

12.表彰及び制裁に関する事項

 13.休職に関する事項

*上記1~5までは、労働者に書面を交付して必ず明示しなければならない事項で、以下は使用者がこの定めをする場合にだけ明示しなければならない事項です。

6以下を定めると労働者の権利となります

このように、雇用契約(労働契約)は、使用者と個々の労働者が話し合って、契約するのが建前ですが、使用者は労働条件を集団的画一的に決定するため、就業規則で労働条件を決めておき、労働者を雇い入れるときに、個別に労働条件を取り決めるのではなくて、就業規則を利用して画一化を図っているところが多いのではないかと思われます。


実務上は、「労働契約書」の締結と「就業規則の明示・交付」により、上記労働条件の明示の要件をみたすのが一般的です

パートタイム労働者を雇い入れたとき労基法の労働条件明示義務に加えて、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無を文書の交付等により明示しなければなりません

この義務に違反すると10万円以下の過料に処せられますのでご注意下さい。


ここでの書式例は、パートタイマーの場合のものをご紹介いたします。上記記載のように、詳細な契約事項は、就業規則の記載を援用しているものとなっています。




パートタイマー雇用契約書

 ○○株式会社を甲、乙野次郎を乙として、下記のとおり雇用契約(労働契約)を締結した。

第1条

  甲は乙を次のとおりの労働条件により、パートタイマーとして雇用し、乙は甲の指揮並びにパートタイマー就業規則等の諸規則を遵守し、誠実に勤務することを約した。

                    記

        雇用期間:自平成○年○月○日 至平成△年△月△日

        就業場所:○県○市○町○番地 甲の○○店

        業  務:仕入・販売その他


第2条

  乙の勤務時間は、次のとおりとする。

1.勤務時間:自○時 至△時 実働×時間

2.休  憩:自○時 至△時


第3条

  乙の休日は毎週○曜日とし、甲の業務上必要があるときは休日の振替ができるものとする。


第4条

  甲より乙に支払い賃金は、次に定めるとおりとする。
  1.基 本 給:日額○円とする。ただし、第2条に定める実働時間を超過して勤務したとき、又
   は、勤務時間がそれに満たないときは、その時間に応じパートタイマー給与規定の定めると
   ころにより増減する。

  2.諸 手 当:パートタイマー給与規定の定めるところにより支給する。

  3.支払方法:前月26日より当月25日までを1ヶ月として計算し、毎月月末に通貨をもっ
    て支給する。

第5条

  この契約は、甲の業務の都合により雇用の必要がなくなったとき、その他パートタイマー就業
  規則第○条に定める自由がある場合を除き更新することができる。更新を行う場合は、更新契
  約書によらなければならない。

第6条

  乙は甲の従業員就業規則に定める従業員としての身分を有しないものとし、将来乙が甲の従業
  員として採用された場合でも、この契約による雇用期間は勤続年数に通算されない。

第7条

  乙が本契約期間内に故意又は重大な過失により甲に損害を与えた場合には賠償の責任を負う。

第8条

  本契約に定めなき事項については、甲のパートタイマー就業規則の定めによるところによる。

    このようにパートタイマーや契約社員と雇用契約(労働契約)を締結する場合、それぞれ
    就業規則を作成しておいた方が便利でしょう。

 本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、署名捺印のうえ、各自1通を保有する。


平成○年○月○日


【甲の所在地・名称・代表取締役署名捺印】

【乙の住所・氏名署名捺印】



就業規則を定めていない場合は、契約書に労働基準法施行規則の規定されている事項を盛り込む必要があります。また、就業規則がある場合でも、これらを、明示しておくことは、その確認のためにも良いかもしれません。

雇用契約書(労働契約書)は、就業規則の有無や業種によって様々なバリエーションがあります




労働契約書のひな型

パートタイマー労働契約書

○○○(以下会社という)と×××(以下本人という)とは、以下の条件により、労働契約を締結します。

雇用期間

         年   月   日~    年   月   日まで

勤務場所


仕事の内容


勤務時間等

時   分から   時   分迄(うち休憩時間    分)

休 日


所定外労働

1 所定外労働をさせることが( 有 / 無 ) 

2 休日労働をさせることが ( 有 / 無 ) 

休 暇


賃 金

1 基本給 イ 時間給 ロ 日給 ハ 月給(               円)

2 諸手当 イ(    手当     円) ロ(    手当     円)

3 所定外労働等に対する割増率

 イ 所定外 a 法定超(  %) b 所定超(  %) c 深夜(  %)

 ロ 休 日 a 法定 (  %) b 法定外(  %) c 深夜(  %)

4 賃金締切日(毎月    日)

5 賃金支払日(毎月    日)

6 賃金支払時の控除  →(費目、金額等               )

7 昇降給( 有 / 無 )→(時期、金額等               )

8 賞与( 有 / 無 ) 

9 退職金( 有 / 無 )

契約更新の

有無(注1)

イ 更新する場合がありえる

ロ 更新しない

契約の更新の

判断基準
(注2)

・契約期間満了時の業務量

・従事している業務の進捗状況

・能力、業務成績、勤務態度

・会社の経営状況

・その他

(          )

その他


上記以外の労働条件等については当社就業規則によります。疑義が生じた場合は、労働法令に従います。


                   会 社 住所


                       代表者                  印


                   本 人 住所


                       氏名                   印


(注1)有期雇用契約の場合は、後のトラブル防止のため、契約更新の有無を明記します。

(注2)有期雇用契約の場合で、更新する場合があるときは、どのようなときに更新するのかしないのか明記します