『何十年ぶりに買ってみた!』
    
あれは何だったのだろうか。
 
マンガを読んだとき、ビビッと感じたことがあった。
  
直感なのか、虫の知らせなのかは分からない。だが、「これだ!」。

と思うものが、そこにあったことは間違いはなかった。 
 

ワンピースネタバレあります。
 

午後二時三十五分、ぼくは、いつものように車からおりた。
 
先日まで、春のような気温だったが。
今日は、小雨なのもあって、すこし肌寒い。
  
ダウンジャケットのジッパーを上まであげて、
身をちぢめるように、歩きだした。
  
 
自動ドアがあいた。
コンビニエンスストアに入るなり、
ちらりと、雑誌コーナーに目を向けた。
 

そこには、子どものときに読んでいた、
あのジャンプが積みかさねてあった。
  
 
「なつかしなあ…」
 
 
と心で思った。
  
 
上から三番目をとった。
おもむろにペラペラと、中身をながめているいるが。
 
知ってるマンガは、ワンピースくらいである。
 

ドラゴンボールもこち亀も、
シティーハンターもなく。
 
すこし、秋の冷たい風が、身に染みるような寂しさを感じた。
  
 
しかし、ルフィの旅を読むのも、いつ以来だろうか。

そうだ、昔。嫁が、風邪を引いたとき。
  
 
「ワンピースが読みたいな。」
  
 
といったから、全巻買ってきたことがあった。
 
 
そしたら、熱も下がって調子がよくなって、元気になったら。
  
 
「もうじゃまになるか、売ってきてよ。」
  
 
とげんきんにいったので、なくなく手放したときいらいである。
   
 
アニメではたまに見る。

だが、
回想でロジャー海賊団が、最後の島ラフテルについた話がかかれていた。
  
 
「これ、最終回と変わらないよね?!」
  
 
と思った。
 
 
そして、とんでもない宝を見つけて、
海賊王が笑っていたシーンでした。
   
 
「この笑顔にやられたね。」
  
 
ぼくは、冒険の楽しさと。
仲間たちと共に笑いあう姿、と。
 
八百年誰も行き着けなかった、
最後の島にチャレンジした物語って。
   
 
まさに、友情・努力・勝利がつまっていた。
 
 
じつは、万年最下位の野球チームでだらだらと、所属してるより。
  
いつも首位をあらそうために、切磋琢磨する精鋭揃いの仲間たちと。
 
自分の殻を打ち破るために、成長しあう。
  
 
そんな中で、本当に信頼できるチームになっていく。人生が好きだ。

  
ので、ひとつなぎの財宝が欲しかったのではなく。

ロジャーは、純粋に冒険を楽しんで、自分の磨いていたように見えた。
 
 
「今、冒険する人が減っている。」
 

前に日本全国を歩い回ってる若者にあった。
よくある分かりやすい。自分探しの冒険である。
 

だがしかし、人と関わらないんだよね。
ぼくが話しかけて、傾聴して共感して、質問してやっと。
  
身の上話をしてくれたけど。
 
 
全国を回っても、人と本気でかかわれてなかった。

いつも一人で寂しそうに。すみにいて。
日本一周歩いた事実はあるけど、冒険ではない。
 
 
たぶん、逃げるのは冒険ではないのだ。 
 
 
本当は彼は。もっと人と関わりたかったかもしれないし、わかり合える実感を味わいたかったのかもしれない。
 
ただ、人と繋がれたらいいな。
と思って全国歩いたんだろう。

でも、誰とも心を通じる方法にチャレンジしないなら楽しいわけがない。
 
もっと人とかかわってもいいし、本当のつながりを感じてもいいのです。
 

それこそ何でもいい。


マラソン、ツール、トライアスロンなどの肉体的な冒険も本気でなら繋がれるし。
 
また、小説を書いたり、うつ病を直す研究してもいい。
 
さらにコミュニケーションを追及したり、
会社を起こすなどの知的冒険もいい。
  
 
そして、自然農の探求や施設の子どもたちをディズニーランドにつれていく挑戦。

政治家になって、◯◯◯をぶっ潰すなどや、悟りを探求する冒険など。


社会貢献の冒険もある。
 
 
ありとあらゆる冒険にチャレンジして、自分を磨いてほしい。 
  
 
そう、ロジャー海賊船のクルーたちを見て、
ぼくが求める。「これだ!」である。
 
 
今までも、いろんな冒険をしきたからこそ。

 
「これからの時代は、これを求めているのではないか!」
  
 
と、直感できたのかもしれない。
   
 
やっぱり、ジャンプは人気の雑誌で。
  
何十年ぶりに買ったジャンプは、
今の時代のニーズを知るには十分であった。
   
 
「そろそろ、人は自分だけの海賊王になるときが、来たのかもしれない。」
   
 
ぼくは本を手に取り、レジに向かった。
魂のワクワクは続いた。
 
なんだか、時代を手招きしているようだった。
    
   
「あの…すいません。」 
「はい!」
「これください。」
「はい、三百円になります。」
「えっ、三百円?」
 

驚きだ。ガキのころは百七十円だったのに、と心の中でつぶやいた。
   

時代はインフレもニーズも、どんどんジャンプしつつあるようである。