ちょっとマニアックになってしまいますが、先週は歌録りをしたと書きました。
私自信も久しぶりの歌モノで、勿論ギターの伴奏もしていますし、
エンジニアも兼ねております。
今回はジャズの歌モノなので、耳元で囁かれているような、
そんな臨場感で録りたいなぁと思っていました。
本来であれば高級な真空管マイクに高級マイクプリで録りたいところ。
しかし、そんなもの個人で揃えられるはずもなく、
環境含め現状でやるしかありません。
宅録は創意工夫の楽しさがあります。
あと、チャレンジングでありスリリングです。
例えばちゃんとしたスタジオだと、道具や環境については何の心配もなく、
お金さえ払えば納得のいく録音結果になります。
しかし、私の音楽キャリアの中で学習したことがあります。
ボーカルは人間の声そのものなので、
健康状態や精神状態がもろに表面に出てきます。
スタジオは、時間=お金
常人は、今何時間録ってるから、幾ら使ってると頭で計算します。
予定の時間で録れない場合、
当然ながら延長となり、即ち予算をオーバーしていくのです。
このプレッシャーが声に現れます。
(楽器の演奏でもそう)
加えて、そのレコーディングの日に体調や精神状態が完璧なことは
滅多にありません。
多少なりとも不安を抱えながら録音に挑む場合が多い。
誰しもそうですが、最初の録音作品はショボイんです。
委縮してしまっているパターンですね。
或いは逆に張りきりすぎちゃって、なんか変に空回り感のある録音とか。
これが未来永劫残るんだとか、これを売るんだとか、
予算が…予算が…とか、色んなことが気負う原因になるんですが、
リラックスしているとは言い難い場合が殆どです。
でも、良い演奏や良い歌唱は、リラックスしててなんぼ。
長い間、アマチュアやインディーズのミュージシャンは、
この矛盾と闘ってきました。
それは勿論、お金がないからです。
時代はかわって、一回か二回、スタジオで録音する金額で機材を揃えれば、
何度でも納得いくテイクを重ねることが可能になりました。
昔はプロの機材と、我々のような一般の人が買える機材の音の差(値段も)は、
それこそ雲泥の差でしたが、今でも差はあるもののそこまで大きな差
とはならなくなりました。
むしろ機材よりも、どうやって録ったか?が大事。
スタジオでお金の心配をしながらだと、
徹底的にマイキングを追求できません。
そんな贅沢は許されなかったのです。
マイクの位置がミリ単位で音が変わります。
録れてる音は削ることもできるが、録れてない音は出せない。
これが録音の難しいところであり、
面白いところです。
群像楽団の録音は、あれだけの時間をスタジオでやったと考えると、
震えがきて失禁してしまいそうです。
時間を費用に換算してみたら、もう絶対に回収不可能でしょう(笑)
村島さんもスタジオならではのプレッシャーに晒されずにすんだわけで、
私も自分でそれなりの機材を揃えてたことの意義があります。
スタジオだと、演奏のミスも三度までしか許してもらえません。
仏の顔も三度まで。
ミステイクが多いと「今日は帰れ」と普通に言われる厳しい世界です。
まぁ、その世界を経験すると、後々自分のためにはなるんですが。
さて、ボーカル録りです。
耳元で囁かれてる感を出すならば、部屋の反射音を遮断したい。
ボーカル録りで使うマイクはコンデンサーマイクといって、
とても感度が良いのです。
私の持っているマイクは指向性を限定出来ないので、
どうやっていらない音を遮断するか?が鍵になります。
マイキングとはつまり、マイクと音源との距離感を徹底的に追求することです。
(使うマイクをチョイスするということも含みます)
興味のある方はネットなどで色々勉強をされてみてはどうでしょう?
奥が深くて面白いですよ。
耳元で囁かれてるような感じにするためには、部屋の反射音は
いらないはずです。
とは言え何かには反射するので、その空間を限定したい。
なにせ耳元ですからね。
マイクがリスナーの耳の代わりなわけです。
当然、近ければいいのですが、いかんせんマイクの感度がいいので、
余計な音まで拾ってしまいます。
人間の耳は非常に性能がいいので、必要でない音は聞こえないフィルターを
掛けることができますが、機械は全部の音を拾います。
補聴器を作る難しさがここですね。
で、いらない音を遮断するためにこういう道具があります。
カッコいいですね~。プロ!って感じがします。
お値段もカッコいいです。
買えない値段ではないのだけど、私はスタジオを経営しているわけでも、
ましてやプロのエンジニアでもないわけで、そりゃ買いませんよ。
ただちょっと、引っかかるものがあった。
何かで代用できるんじゃないの?と。
アウトドア好きの私がそこで閃いたのが、キャンプマット。
通称「銀マット」です。
吸音までは求めないまでも、遮音はできるんじゃね?と。
まぁ、不格好なこと(笑)
酷い有様です。
でもね、見かけによらずこれが効果てき面なんですよ!
多分、内側に吸音材を張ればもっといいと思います。
たったこれだけで耳元感が出るんですよ。
面白いですねー。
こういう事をするのは大好きなんです。
私が録音作品を作るのに一番嫌いなのは、ズバリ編集です。
ミックス作業が大の苦手。
だって、周波数とか聴き分けれるように耳を鍛えてないもの。
リズム成分や音階に対しての耳が鋭いだけですから。
こんな感じで意外にDIY的に録音します。
あと、防音スタジオでもないので、環境音が無い瞬間を狙っての録音。
航空機、犬の鳴き声、車やバイクの騒音、工事の音が天敵です。
それを掻い潜っての録音。
だけど、スタジオでのプレッシャーに比べると全然いいはずです。
何よりリラックスした状態で音入れできますからね。
実はこのリラックスした状態。つまり精神状態のために機材を揃えたと
言っても過言じゃありません。
あと、スケジュール管理が楽。
マルチで録る場合、別に同じ日に録る必要もなく、
PCとマイク類とを持って行けばどこでもスタジオになる。
メジャーの人達もみんなこの環境になっています。
自分の納得するテイクが録れたら、エンジニアに渡す。
私も売り物の場合は、ミックスとマスタリングはプロにお任せします。
私達ミュージシャンは録れ音にさえ気を使ってればいい。
ほんと、スタジオで何時間もマイキングを研究できませんしね。
お金がいくらかかるか?想像さえしたくないほどです。
でも、録るまでだったら機材さえ揃えれば、
なんとかなるんです。
楽です。物凄く楽。
ただ、今回録った歌モノは売り物じゃない。
それが非常に残念なこと。
(音楽ビジネス的に)
ま、でも、聴くことは出来るようになると思います。
その時はまたお知らせします。

