手持ち無沙汰で肉を触らないでもらっていいですか? | 珈琲 たいむす

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この世紀末の雰囲気、もう笑うしかない。

 

 

先日、懐石料理を食べた。

 

 

相席ではなく、懐石である。

 

 

いや~久々であった。

 

ふだんは 懐石はおろか 焼き肉すら行けないのであるから

 

実に愉しめた。

 

 

 

 

 

若い頃は、

 

チマチマと一品一品 運びやがって……  もうさ、

 

どんぶりで運んでこいよっ!

 

全部のせ もやし増し増し  でこいやぁー!!  おおっ?!!

 

と尖っていたのだが、

 

最近はなんか その  チマチマ がいいのだ。

 

 

 

 

 

一品ずつ料理長の思いを  噛みしめ    

 

ときおり 屏風の虎や  生け花で 箸を休める

 

 

 ああ~ オトナのひととき。。。  

 

 

 

大人になることに怯えていたし、大人の重責に押し潰されそうになったりもするけれど

 

こうやって 大人だからこそ  愉しめる  世界もあるのだ。

 

世の中、捨てたものではない。

 

 

 

安藤サクラがCMで  大人って長っいよぉ~  と目を輝かせて嬉しそうに言っているのは

 

つらい大人という世界の中にも、悦びがあるからである。

 

その悦びが、懐石なのである。※完全な自説です

 

 

 

 

まぁ、前置きが長くなったが、  

 

そんな懐石をごちそうしてくれたのが  親父なのである。

 

有り難いのひとことである。

 

育て上げてくれた上に、こんな席を設けて貰って  ほんとに感謝感激雨 嵐 である。

                                       smile again ありがとう

 

 

 

しかし、事件は起こった。

 

最後に 私のコースだけ  固形燃料がついた 鉄板焼きがきた。

(親父や他の人らは  魚コースにしたので なかった。)

 


※イメージ


 

なので、気を遣って「少し食べる?」と訊いてみた。

 

親父は「じゃあ1枚もらおうか」と答えた。

 

 

ここまでは、よくある光景である。

 

懐石でなくても  ファミレスでも  家庭内でも  よくある光景である。

 

 

親父は、肉をとって 固形燃料が燃える  鉄板で焼き始めた。

 

好みの焼き加減があるからね、うん  よく焼いてね……と思っていたら

 

親切心からか 親父はすべての 肉を焼き始めたのだ…。

 

 

 

私は、レアが好きなので

 

「あ、俺 自分で焼くからいいよ ありがとう」 と言うと

 

「そうか?」と言って箸を置いて  目の前の人と話し始めた。

 

 

 

 

なんかすげー 汚くなったけど… 

 

親切心からなのだから、  うん、仕方ないよね… と

 

自分を納得させた

 

次の瞬間

 

 

また  肉をいじり はじめるではないか

 

 

 

 

 

「あ、いや…おやじ、俺 自分の焼き具合あるから…自分でやるからいいよ…」

と言うと

 

 

「あぁ…そうか」と言って箸を置いて  前の人と話し始めた。

 

 

 

 

聞いてなかったのかな… 

 

うん、まぁ  親父も話に夢中になっているのだから

 

しかたないか…  

 

と自分に言い聞かせた  

 

次の瞬間

 

 

また ペタペタと肉を いじっているではないか!!  むむっ…

もう単に  肉を叩いているだけである…

 

 

 

あの!肉… 自分でやるからさ…」 と言うと

 

「あぁ…そうか」 と言って  箸を置いて  また 前の人と話を再開した。

 

 

 

 

 

私は思った。

 

この人、手持ち無沙汰で肉を触ってるな……

 

 

 

 

そう、親父のコースは終りに差し掛かっていて

 

一足先に  デザート待ち。 

 

つまり、手が暇なのである。

 

 

 

さらに、最近タバコをやめた のも相まって

 

手が寂しくて  仕方ないのだろう…。

 

 

 

だから、わたしの肉をペタペタと……

 

 

 

 

 

わたしは、肉を防衛することにした。

 

私:「おやじ、早く食べないと  焦げちゃうよ」

 

 

おやじ:「いや…まだ  焼きが甘いかな」

 

私:「甘くないでしょ、もう焦げそうだよ」

 

おやじ:「うん…もうちょっと…」

 

 

 

 

いや、!違う

 

肉はこげる手前くらいにまで  焼けているのだ…

 

これ以上は、焦げてしまうことは  火を見るより明らかである 固形燃料の火とかけてみちゃったりね…

 

おやじは 焼き具合をまっているのではない。

 

 

 

手持ち無沙汰で  肉を触っている だけなのであるっ!  

 

 

 

 

食べてしまえば、肉に手を伸ばす  大義名分が なくなってしまう。

 

そうすれば、タバコをやめた 親父の手は   手持ち無沙汰で  いたたまれなくなってしまうのだ。

 

 

 

 

つまり、   あんたは 手持ち無沙汰の道具 を失いたくないだけで

 

お肉をペタペタしているだけなんだ!!

なんて短絡的かつ身勝手な犯行なんだっ!  

 

 

 

 

これが、あんたの考えた シナリオさ…

 

 

真実はいつもひとつ!!!   名探偵 俺っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

……と

 

推理したのはいいが、

 

結局  肉は焦げて 親父は「焦げは体に悪いから…」と食べず

 

私がすべて食すことになった。

 

 

 

 

くそったれぇぇぇ……

(敵にかなわないと悟ったときに 涙を流すベジータ風に)

 

楽しみにしていた 〆が  これとは……    

 

無念。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ…ね、お金出したの親父だし…

 

思い通りに食いたかったら  自分で稼いで食えよって ことである……。

 

何事も教訓である。

 

この悔しさをバネにして  明日からがんばろうではないか  うんうん。

 

 




 

 

しかし、これだけは 言わしてもらいたい

 

焦げても うまかった……。


これが腐っても鯛ということなのか…

いや、牛なんだけどね…

 

 

                                                             おしまい