この時間帯になると、お惣菜がお安くなっている
単身者にはありがたい。
さて、今日も寂しいながらにも
ささやかな「うまいっ……」という幸せを探しにきた
我がマイホーム スーパー。
だいたい知り尽くしているのだ
ここのこの商品は、このくらいの時間に安くなる……
鷹……いや、雀がエサに狙いを定めて、菓子コーナーの裏で待機しているのだ
ふっ、こんなところ 好きなあの子には見せられまい
さぁ、時間だ
コキッ コキッ…
首を鳴すと共に、私は歩き出した。
左手にぶら下げた買い物カゴも大きく揺れる。
ほほぉう…… 20%オフ。
目玉が出るほどのプラスレスではないが、
前から食べたかったチャーシューだ。
今日の獲物はこやつだっ!
隣にいるおばさんも手が出ないほどの
品取りのスピード
今日ばかりは、百戦錬磨のタイムセールの猛者もキョトンと呆気に取られている様子だ
今日は相手が悪かったな、
あんたにも家族がいるだろうが、
1日の終わりの幸せをみすみす逃す訳にはいかなくてな
今日ばかりは、あんたんとこの坊やには、泣いてもらうぜ、悪いな。。。
レジで商品を置くなり、「袋いりませんっ!ポイントカードありません!……そして家族が欲しいです!(心の声)」
レジのおばさんも慣れた様子でニンマリするばかりだ
常連客である私の扱いにも慣れたものだ
"イケメンの割にケチなのね" と嘲笑うかのごとくだ
ケチじゃない……節約だ
1人妄想の会話を交わすと、家に直帰。
冷凍したご飯をチンしながら、
待ちきれずに今日の戦利品チャーシューを口に運んだ
一口でわかった。
「これ、ハムじゃねーかよっ!!ハムとチャーシューは違うんだよ!馬鹿野郎っ!!」
私は、瞬時に 顳顬にクリティカルヒットした怒りを
壁に叩きつけた! ドンッ!!
「うるせー!!コラーッ!!」
あっ、すいません……
精肉売り場の兄ちゃんに、今日の食卓を潰された
幸せは明日にお預けだ……
だから、定価で買うのが怖かった
ハムなのか?チャシューなのか?
ハムならこんな値段出さないよ っていう値段でチャシューに見せかけたハムを売る
精肉売り場……
これがお前のやり方かぁぁあ〜っ!!!
次は、
次はどんな罠を仕掛けてくるんだ!?
明日も孤独を埋める為に、私は精肉売り場に現れるだろう……
誰か、誰か私を止めてくれ……