夜明けの街ですれ違うのは
餌の残骸と昨日の猫さ


二度と戻れない 耳カットを終えた後で
ああこの胸は疼いてる


振り向く度に切ないけれど
猫の視線を背中で受けた


連れて帰れない黄昏に染まる家路
ああ涙隠して憂うサンデー


猫なしでは夜毎眠らずに
闇を見つめていたい


餌やり場で愛されて
捕獲器で捕まって
動物病院でスペイされて


もう離したくない

早く行かなくちゃ
夜明けと共にこのご飯皿に夢の跡


おねだり視線が果てた後でも
なぜにこれほど愛しくなれる


二度と戻れないドラマの中の二人
ああお互いに気付いてる


棄ても失くしも僕は出来ない
ただそれだけは臆病なのさ


連れて帰れない役柄はいつも餌やり
ああ猫の仕草を真似るサンデー


好き合うほど何も構えずに
ただの飼い主でいたい


餌やり場でカッコつけて
ブルーライトバーで泣き濡れて


スペイクリックの部屋で抱き締め
また口づけた

逢いに行かなくちゃ
儚い夢と猫の谷間で溺れたい


どの餌やりさんも
ホンマは連れて帰りたい。

可愛いこいつらが……
危険な寒い寒いお外におるやなんて
心配すぎてやっとれん。

ホンマは
人に慣れとる猫も
人をまだ警戒しとる猫も
みんなみんな
お家の猫にしてしまいたい。

でも
それは自分の多頭崩壊を
招く結果になりかねんのは

よくよく分かっとるからな。

姐さんかて
ホンマは見かけた猫全てを
家猫にしてしまいたい。

困っとる猫がおったら
保護猫にしていましたい。

でも……
確実に崩壊してしまう。

たかが猫やと
平気で捨てる人間
無責任に餌やりだけしとる人間は

真摯に向き合っとる
餌やりさんの苦悩を知るべきや。