年に数回行く、「着物deランチ」の会があります。
ちょっと場所が遠いので、久々に参加させていただいた時のこと。
秋の10月でした。
左隣の席のご年配の方が、膝から落ちたハンカチを
拾いたくて箸を使ってました。
彼女は、大腿骨骨折して入院されたり、あちこちお悪くなっていて
身体を屈める姿勢もなかなかできない。その手がプルプル震えていたのです。
私は、さっと身体をかがめ 手を伸ばして
拾ってさしあげました。
その時,ガチャーンと嫌な音。
私の帯の端っこが、食器のスプーン、フォークに引っかかって
食べかけの白いクリームシチューがどっぱーん!!と
飛び散ってしまったのです。
レストラン中、シーンと静まり返りました。
「やっちまった・・・・」(心の声)
シチューは私の着物にかなりこぼれ、帯もあちこちシミが飛び
お店の方が、さっと濡れタオルや乾いたタオルいっぱい持ってきてくれました。
「いや、これ、安〜い古い着物、母の箪笥の奥底にあった紬、シミだらけでねえ」などと
恥ずかしくも喋ってしまう私。
みんな耳を澄ませて聞いてるし・・・
でもね、ほんとに古い地味な紬で、裏地もすっかり黄ばんで、何より母のサイズが
大きいので着ていてシワができるのが嫌で・・・
もう捨ててもいいかな、と本気で思っていたのです。
そしたら、隣のハンカチの主が、涙ぐんでおられるのです。
「自分のせいで、大事な着物を汚させてしまった」、と 明らかに悔いておられるのです。
「やっちまった・・・」(心の声)です。
続く