借りたマンガ | ANKOのブログ

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バラが大好き。漫画家です。

とても忙しい時期だった。

 

子供は三人、小学生二人、幼稚園では役員などやっていた。

仕事も忙しかった。毎月締め切りがくる連載というものを

ずっとやっていた。

犬も二匹、猫もいた。庭も頑張っていた。料理も頑張っていた。

 

健康だったことは親に感謝。

 

その頃、幼稚園ママで熱心な花マニア友人がいた。

一緒に楽しくバラにはまり、どんどん名前を覚え、

オールドローズの知識を増やしていった。

 

思えば、私の時間が足りなかった。

「ちゃんと人付き合いをする」部分を、欠いた。と思う。

「ここは手を抜いていい」と思うのは、家の掃除、片付け、人付き合い。

 

彼女は漫画が大好きだった。どマニアだった。

「これ面白いよ!」といきなり25巻の漫画本を渡された。

読めなかった。時間もなかったし、どうしても好みでなかった。

「あとでじっくり読み直そう」そう思って、棚の一番下に置いた。

 

何度か引っ張り出して読もうとした、でもできなかった。

その漫画を好きになろうとした、でもダメだった。

だったら、1日も早く返せばよかったのだ。

彼女に「これ読めない」とは言えなかった。

自分は漫画家だから「読めない漫画がある」、と言えなかった。

 

何度も読もうとしたよ。

 

気がついたら1年以上借りっぱなしになっていた。

ある日 彼女が本気で怒った。それは彼女の一番大事な漫画だったのだ。怒鳴られた。

 

私が悪かった、とずっとずっと思っていた。ひきずった。

 

彼女とは大親友みたいな意識があった。

漫画が好きな彼女なら、きっとわかってくれる・・・

でも似ていたからこそ、亀裂ができたらおしまいなのだった。

どマニアと、職業にしてる作家とは、近いようでまったく相入れない存在だった。

 

彼女とはかなり長い付き合いだったけど、だんだんこじれていった。

修復をしようとすればするほど、ダメだった。

最後の最後までダメだった。

 

自分が悪かった、とその後何年もずっと思っていたけれど・・・・

 

今 発売の「FEEL young」という漫画雑誌に ダメ漫画家の体験が載っている。

「発達障害な私たち」借りた本を返せない!!それだ!!

私はこれに近いんだ。というか、そのものだろう。

 

彼女とは、最初からダメだったのさ。忙しかったんだ。

それでも三人育てたんだから、頑張ったんじゃないか、自分。

 

そう思ってもいいかな。

 

彼女とバラ園に通いまくった日々、咲いたバラを見て大声で騒いだ日々。

今でも忘れない、彼女が育てていたバラ、ほめてくれたバラ、笑い合った日々。

花でいっぱいだった彼女の庭。