東日本大震災で泥に埋もれた私の叔母。
胸まで泥に埋まってしまったところを消防団員が
縄をつけてみんなで「せーのっ」で、引っ張り出して
くれたそうです。
旦那さんは津波のくる数日前から変な夢ばかりを見たと言う、
なぜかとっくに亡くなった身内ばかり次々出てきたのだそうです。
「あんた、そんな変な夢ばかり見ないで、縁起でもないよ。」と
おばちゃんは言った。
「いいか、もしも俺が見つからなくても、遠くは捜さなくていい、
俺はこの家のそばにいるから」
「あんた何言ってんの?」
そんな会話をして、数日。
あの東日本大震災が発生しました。
叔母夫婦の家は宮古市田老。
おじは脳梗塞の後遺症で走れない、夫婦で家の二階に上がるのが
精一杯だった。階段を上がってる途中で、下にいたはずのおじの声は
聞こえなくなったそうです。
おじは、自分で言った通り、家の脇の玄関前で見つかったそうです。
叔母はしばらく仮設住宅にいました。
お見舞いにいった私に、この不思議な体験を話してくれました。
何年かのち災害復興住宅の三階に移り、一人暮らしを続けました。
大震災から10年。内陸に住む息子夫婦が、何度か誘っても叔母は
行かなかった。
そして叔母は昨年12月に一人ひっそりと亡くなっていました。
明るい叔母でした。
おじは植物好きで盆栽を熱心にやっている方でした。