寒っっと
ヒーターを付け
目をこすりながら
毎年毎年
冬を感じて
おにぎりを作る朝
今年はそんな当たり前がなくなっていた
一人暮らしをし
家から出て
自分でやってるらしい
それも
寂しいけど
18年間やり続けて
突っ走ったサッカー生活を
終わりにする
っと報告がきた
ずっと観続けて
特に何かをしてあげるわけでもなく
ただただ観続けてきた
どんな気持ちも
どんな判断も
ただ最後の判断だけは
観れなかった
「努力が足りなかった」
っと
いっぱい努力したよ
なにもかも犠牲にして
弟はそんなお兄ちゃんを見て
自分には
できないなと
あきらめた
だからお兄ちゃんが誇らしかった
お姉ちゃんですら
同じだった
努力は図るものでは
ないんだよって
言ってあげたいけど
今はそっと
終わること
次へ迎えることを
観ることにする
「サッカーの写真しかないな」
ってお兄ちゃんの写真を
観ながらぼうっとしてる弟
そう、
終わる時に
お兄ちゃんはそばにいない
こういう終わり方になるんだな
ちゃんと『終わり』と
自分が思うまでやるっと決めて
出て行ったから
まさか楽しくない日がくるとは
思ってもなかったらしい
18年間
いつ聞いてもどんな時でも
サッカーは楽しいって言っていた
やり切った以外に何もない今は
何も言わずに
観ておこう
小学生の頃一度だけ負けて泣いた以来
どんなに負けて辛い試合も
泣くことはなかった
息子の分も涙だけ流しておくわ
オカンのできること
しばらく涙流しっぱなしで
思い出になりますように
