また一人、俺の尊敬できる人が消えてしまった。
去り方もきれいで、その決意があふれてて。
そこに立ち会えなかった俺が居る。
いつものパターンだ。
運が悪い。
言い訳だって分かってても言い訳してしまう。
一期一会と言う言葉がある。
その一期一会を、俺は、あっさりと逃した。
―――俺と彼女(女…のはず)との出会いはショーワ8ch女湯だった。
拡声器で女湯に来る人を募集してて、俺はこの機会を逃さなかった。
行ったら変態と言われ、ゲジ眉を馬鹿にされた。
―――初対面でここまで心に入ってくる人は初めてだった。
その場で俺は友達になった。
その頃からだっただろうか。
俺はレベ上げを辞めた。
狩りよりもチャットを優先した。
それは何倍も楽しかった。
―――友がどんどんレベルを上げる中で、俺は取り残された。
それでも俺は満足していた。
十分楽しめていた。
だが…俺はリアルの事情で週末にたまにINするだけになった。
チャットする機会は目に見えて減っていった。
数字的快楽を求めた俺はエミュ鯖へと走った。
そして、チャットは消えた。
無言でボケっとボタンを押しっぱなしにするだけで何度も200レベになる。
ぜんぜん楽しくなかった。
本家にINしてみたら、彼女は仮引退をしていた。
俺は1度目の、一期一会を逃した。
だがサブを真剣に作り始めた頃、彼女がやってきた。
尊敬できる先輩。
俺の尊敬する人はみんな味がある。
鼻毛伸ばしたイケメンとか
きぐるみ被った癒しの神とか
いい年してまだ楽しませてくれる可愛い人とか
彼女もその一人だった。
こういう人が居なきゃ俺は今でもメイポをやっているかどうか分からない。
だからこそ俺はこういう人に感謝する。
こういう人は絶対に逃しちゃいけないって分かってるから、
俺はメアドも執拗に聞いて回った。
うざがられもした。
彼女にもうざがられた。
今となってはいい思い出ってよく言うけど、その言葉がぴったり合う思い出。
一生忘れない。
そしてまた、俺は不運な運命にさらされた。
そのさなかで、彼女が、仮ではなく、
引退したのを聞いた。
またしても俺は一期一会を逃した…。
絶対に逃してはいけない…一期一会を…
もうどうしようもない。
あのときこうしていれば、こうならなかった なんて思う奴と俺は違うと思っていた。
だが…俺もそんな奴だった…。
――あの時遊んでいなければ、俺は運命にさらされなくて
――運命にさらされなければ、元気にINすることが出来て
――元気にINすれば、彼女とも会えて
――彼女に会えば、別れの時も共有できて
――共有できれば、嫌われてでもメアドを聞き出して
――聞き出していれば、わずかでも繋がっていられて
――繋がっていられたら、後悔しなくてすんだ。
今の俺には後悔しかない。
改めて、俺は、己が犯した過ちを悟った…。