日が昇る頃はぐっと寒くなって、じゅんが身体をくっつけてきた
トラにぃ あったかい
じゅんは、本当に飼い主に会えると信じているのだろうか
なぁ、じゅん
おまえはしょおくんて人のことを覚えてるのか
ううん、お顔も声もわからない
!!
どう考えても無謀だ
でもね、しょおくんはおててがおっきくてあったかくて
あと、白くて美味しい飲みものくれたのは覚えてる
ああ、かぁちゃんのおっぱいか
じゅんは食いしん坊だもんな
僕、本当のママのおっぱいは飲んだことないの
俺もだ
かあちゃんもとうちゃんの顔も知らねえ
同じだね
ねぇ
トラにぃも僕と行かない?
はぁ?
しょおくんとトラにぃと僕で一緒に暮らせたら、ぜったい楽しいと思うの
世の中そんなに甘くないぞ
第一、人間なんて…
しょおくんは優しいよ
トラにぃもおウチに入れてくれると思う
僕がお願いしてみるよ
俺が人間と暮らす?
そんなこと考えたこともなかった
じゅんと一緒に部屋で遊んで、飼い主に餌を貰って温かい寝床があって…
きっと毎日楽しく暮らせらるのだろう
ねぇ
トラにぃ どうかな
トラにぃが一緒なら僕も心強いんだけどな
真剣な眼差しに、揺らいだ気持ちをぐっと堪えて
ありがたい話だが、行くわけにはいかないときっぱり言う
俺はこの島が好きだ
だいたい俺がいなくなったらチビたちが困るだろうが
それはそうだけど
お前も俺のことをあてにするな
トラにぃ?
飼い主の所に行くと決めたんだろう
だったら、二度とこの島に帰ってくるんじゃないぞ
心を鬼にして言うと、じゅんは小さく、にゃぁと頷いた
