こんにちは。

熊本の文房具店に勤めている文太郎です。


パイロットさんから発売されている、消せるボールペン【フリクションボール】。

発売されてから人気が続いていますが、困ったこともあります。


それは「履歴書」を書くときに使用することです。

今日もいらっしゃいました。履歴書+フリクションボールの組み合わせをレジに持って来られるお客様。


恐る恐る声を掛けると、思った通り履歴書に使用される予定でした。


フリクションボールは便利ですが、履歴書には不向きです。なぜなら、消えるから。

最大の特徴である【消せる】が問題なんです。


正確に言うと【消えるのではなく透明になる】が正しいです。筆記線を擦って【温めること】でインキが透明になります。ここで、重要なのが【温めること】。つまり、温まってしまえば、どんな状況でも消えてしまいます(【フリクションボールについて 】でお客様からお聞きしたフリクションの失敗談を掲載しています。)


極論、火で炙っても消える、夏場の車内に置いていても消える、ということです。


そうなると、例えば郵送した時に配達する郵便屋さんの車やバイクが高温になったら、相手の手元に届いた時には文字が消えています。これは、常連のお客様は体験されています。それで、募集の時の注意事項などにフリクションボールは使用しないで下さい、と記載したり、伝えているそうです。


実際のところ、フリクションボールは便利です。書いて消せるのは素晴らしいと思います。でも、完ぺきなモノなどないので、仕方がないのかもしれません。


なら、どんなペンが履歴書書きに良いのか、【履歴書を書く時のペン 】に掲載していますので、ご参考にされて下さい。



履歴書を書く時のペンの中で、書いた直後には消せて、時間が経つと消えなくなる特殊油性ボールペン【ペーパーメイト リプレイマックス 】をオススメしていますが、オススメしている私の接客を見た店長にこのペンもオススメとは言えないな、といわれました。


それは、履歴書は「自分を伝える手段」の一つなので内容だけでなく、書き方にも性格が表れることが多い

そして、採用担当はそれも見ている人が多いそうです。その為、PCでの印刷を禁止している大手企業もあります。


書いて消せるボールペンの使用は、間違いに備える、ということですが、逆にいえば、間違うことを前提にしている、とも言えます。スポーツをしている方なら分かると思います。最初から負けを考える試合は無いはず、勝ちだけを考えるからです。間違わないように注意すれば、良いだけのことなんです。


それに履歴書を書き終えるのにどれくらい時間が掛かりますか。ほとんどの人は10分~20分、遅い人でも1時間以内で書き終えます。人間の集中力が持続する時間は30分~40分、つまり十分に履歴書を間違えずに書き終えることは可能です。


でも、間違ってしまうのは、言わば書き間違っても書きなおせる、という気の緩みかもしれません。


「内容を考えながら書いてるから時間が掛かるんです!」店長の話しを聞いてた、パイトの子が言いました。これは学生の時、私もそうでした。名前、住所を書いてはペンを止め、志望動機を書いてはペンを止め、というのを繰り返していました。


これで時間が掛かる、というのは準備不足ということになります。書き始める前に、しっかりと考えて、別紙に下書きをして、きちんと準備をしてから書き始めれば、余計な事を考えずに書く事だけに集中して一気に書き終えることが出来ます。


大手自動車メーカーの営業担当をしていた時、支社長と店長(当店)とのお食事にご一緒させて頂く機会がありました。その時に、色々なお話を聞かせて頂きました。その中で、こんなお話を聞かせて下さいました。


「文太郎くん、君は報告書を書くことはあるかい?今は、パソコンで簡単に作れるけど、昔はね、パソコンやワープロは貴重で、私のような平社員は触ることすら出来なかったんだ。見積書、納品書から報告書、始末書まで、全部手書きだったよ。

もし、書き終える時に最後の一文字が汚くなってしまった。それは、別に読めない訳じゃない、ちょっと汚くなってしまっただけなんだ。その時、君ならどうする?そのまま、提出するか、それとも一から書きなおすか、どうすると思う?」


私は、この質問にそのまま提出する、と答えました。それを聞いた支社長は、


「別にそれが間違っているとは言わないが、君の評価は変わってくるだろう。もし、君と同じ能力、成績がある別の社員が居て、その社員は書きなおすとしたら、私は君よりもその社員を評価するかもしれないね。もっと、酷な事を言えば、君よりも多少劣る社員であっても、君より評価するだろう。」


と言われました。それを聞いて、そうなのかな、と思いましたが、後輩や部下を持つようになり、この時の支社長が何を言いたかったのか、がなんとなく分かってきました。


履歴書も同じなのかもしれません。最初と、最後の字の綺麗さに差がある、それは集中力を持続できない証拠であり、妥協した、手を抜いた証拠になるのかもしれません。