これは1、2年前に母から聞いていたことで、父が家中の物を隠すので困っているという話し。
最初に聞いたのは米だった。
買い置きの5キロの米の袋をいつもの場所に置いておいたのになくなっていると。
父に聞いても知らないと言うが、動かすとしたら父以外誰もいない。
母が探したけれど見つからないというので、私も押入れなど目ぼしい所を探してみたけれどやはり見当たらなかった。
それがつい先日、なんの気なしに開けてみた棚の中に米の袋を見つけた。
食品とは無関係な場所で、どうしてこんな所に?というような棚の中にあった。
昔の一軒家なので、車庫やら倉庫やら押入れやら、やたらに収納出来る場所がある。
家の中をよく見ると食器棚に洋服が丸めて入っていたり、押入れの布団の隙間に着たのか着ていないのかわからない洋服が何枚も挟まっていたり、洋服ダンスの引出しにトイレットペーパーが入っていたりする。
全くそこに関係のない物がしまわれていて、どうしてこれがここにあるの?ということばかりだった。
逆に洋服ダンスの引き出しがカラだったり、日用品が置いてあった棚が空っぽだったり、いろいろと物が無くなっていた。
普段使っていた爪切りやハサミやペンなどもいつの間にかなくなっていて、生活するのにも不便になっていった。
それらは父が何処かへ隠していた。でも父に聞くと知らないというし、本人にも記憶がないらしい。
以前実家の買い物をするために、私が持って来ていた自分のカバンをうっかり置きっ放しで出掛けてしまったことがあった。
帰ってみると私のカバンが置いていた場所からなくなっていた。
何処へやったのか聞いても知らないと言うし、家中を必死に探した。
すると最初にカバンが置いてあった1番近くの押入れに隠されていた。
父に文句を言ったところで自分は知らないと言うし、無意識にやっているのか本当に何も覚えていない様子だった。
こんな調子なのでそれ以降、私も自分のカバンは実家では帰るまで隠すようにしている。
実家で特に無くなるのは衣類や生活雑貨など。
いつもパンツがない、靴下がない、ズボンがないと言って探している状態。
あれだけあったものが一体何処へいってしまったんだろうと不思議でならない。
食料品もたまにタンスの引き出しから見つかることもあり、探していた物が偶然見つかったりして宝探し状態である。
医者にその話しをすると、それは隠しているんじゃなくて、本人はしまっているつもりなんです、と言われた。
認知症あるあるの症状かもしれないけど、周りの人たちはかなり困惑してしまっている。
こんなふうに日々驚かされる出来事が増えていっているのだ。