ひろぴーがまだ小さかった頃、両親が家に来たとき、ひろぴーが熱を出しました。
普段、私は熱くらいでは病院に行きません。
もちろん異変があれば連れて行きますが、さほど調子も悪そうではないし、静かに寝かせてあげて、様子を見るのが一番だと思っていました。
その日は雨でした。
ひろぴーに熱があると知った父は、早く病院に行け、と、いつものように怒鳴るのです。
私はたいした熱でもないし、しかもこんな雨の日に、病院に連れていく必要などないと思いました。
でも、ものすごい剣幕で怒鳴ります。
子供に何かあったらどうするんだと、私を責め立てます。
すると母が、父の言うことを聞いて、タクシーで病院に行こうと言うのです。
母も、とばっちりをくうことになるので、私は母に言われるがまま、母とひろぴーと3人で、雨の中、なかなか捕まらないタクシーを待ち、病院へ向かいました。
病院の先生も、たいしたことないから、こんな雨の中を出歩かない方がいいとおっしゃっていました。
まったくもってその通りだと思います。
この虚しさ。。
私は一体、何をやっているんだろう。。
雨の中、子供を連れて出て、かえって具合を悪くしたらどうしてくれるんだ、と、逆に父を追い返せばよかったのに。。
私はいつも母をかばってしまう。。
私以上に怒鳴られるのは母だから。。
そして母はいつも私に、父の言う通りにしろと申し訳なさそうに言う。。
それが一番平和だから。。
このとき、雨の中ひろぴーを連れ出したりして、私は自分の子供を守ることができませんでした。。
私が一番怖いのは、私の子供たちを、私のような子にしてしまうことです。
いつも萎縮してビクビクしている幼い私が、まだ私の中にいます。
インナーチャイルドです。
私は自分自身を癒すことの必要を感じていました。
私自身が癒えていなければ、子供たちをしっかりと育てることができないと思いました。
元気のない母親が、子供を元気にすることはできないのです。
手段はなんでも良かったのだと思いますが、そのとき一番惹かれたのが
ヒプノセラピー
でした。
私はどのような経緯で、今の両親を親に選んでこの世に生まれてきたのか。。
また過去世でどのような関わりを持っていたのか。。
信憑性よりも、自分の直感を信じてセラピーを受けました。
セラピストの方は2人のお子さんがいらっしゃる、とても気さくな方でした。
今までの父との話をしていく中で、前世よりも、まずは現世での傷を癒すことを優先しました。
ソファーに横になり、目を閉じます。
セラピストの方の誘導で、4、5才の幼い私が現われました。
沈んだ顔をしています。
大人の私が幼い私と手をつなぎ、父と祖母に会いに行きます。
そして父に声をかけようとします。
どうしてそんなに怒るの?![]()
でも、本物の父に聞くわけでもないのに、それすらも怖くて言えないのです。
セラピストの方に、それでも言うように促され、必死で言おうとする私。
涙が次々に溢れてきます。
やっとの思いで父に聞いてみます。
父は答えません。
美容室の中で、こちらに背を向けたまま、お客さんの髪をいじっています。
相変わらずむすっとした表情です。
何度か語りかけますが、やはり何も答えません。。
次に祖母に聞いてみます。
どうしてお父さんをあんなふうに育てたの?![]()
でも答えません。
いつものようにタバコをふかしながら、笑わない目でこっちを見ています。
小さな私が言います。
私はこの家が嫌い。
涙がボロボロ出てきます。
この家は嫌いだ、イヤだ。![]()
子供の頃言えなかった言葉。
私は本当に家が嫌いだったのです。
大人の私が言います。
私は自分の子供を、こんなふうに育てない。同じことはしない!![]()
何度も父と祖母に向かって言いました。
2人は最後まで、反省することも、謝ることもありませんでした。
小さな私と大人の私は、それぞれお腹の中にある嫌な思いを、全部外に出して、受けてきた悪いエネルギーを父と祖母に返しました。
そして小さな私を、大人の私のお腹の中へ入れて、2人は一緒になりました。
次に、ひろぴーが生まれる前に流産した、2人の子もやって来ました。
丸い2つの玉。
ひとつは白っぽく、もうひとつは黒っぽい色をしています。
白っぽい方に聞いてみます。
もう生まれ変わってる?![]()
うん。![]()
私はそれがたっつーだと思いました。
でももうひとつの黒っぽい方はひろぴーではないと思いました。
黒っぽい方が気になったので、
成仏してる?![]()
と聞いてみると、黒っぽい方も白っぽい色に変わりました。
そして、大きな菩薩のような手のひらにのって、2つの玉は空へ昇って行きました。
私は流産した2人に、いくら言っても言い足りないくらいの
ありがとう
を言いました。
涙と共に、とめどなく言葉が溢れて止まらないのです。
ありがとう。ありがとう。私のところへ来てくれてありがとう。。生んであげられなくてごめんね。。![]()
夫や夫のお母さん、ひろぴーとたっつーも現われたり、前世にもさかのぼり、他にも、書ききれないくらい沢山のことがありました。
私は、かつてこれほどまでに泣いたことはないくらい泣き、セッションを終えました。
全身がしびれていましたが、それだけ心に溜めていたものが大きく、エネルギーが放出されていたようです。
そして頻繁にトイレに行きたくなりました。
これは毒出ししているということのようです。
終わったあとは胸がとてもすっきりして、完全ではないかもしれないけど、インナーチャイルドが少しは癒されたのだと思います。
セッションを終え、一つ確信したことがあります。
それはどんなことがあっても、自分の子供たちを守るということ。
2人の子供を守れるのは私だということです。
私はかつて苦しいときに母に守ってもらえませんでした。
母は父から私を守らなければいけなかったのに、そうしなかった。。
父の機嫌を損なわないように、いつも我慢させられていたのです。
でも、私はそんなことはしない!
今後、もしも父との関わりの中で、子供たちや私を傷つけるようなことをしたら、私は全力で子供と自分を守る。
今はその勇気があるのです。
両親との関わりも、今後確実に変わってくるでしょう。
私は私の家族を一番に大切にするという決意を改めて持てました。
もう、今までの弱い私ではありません。
セラピーを受けて、とても充実した時間、そしてたくさんの気づきをいただきました。
大変感謝しています。
本当にありがとうございました。
そして、とても暗い話でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
縁していただいた、全ての方に感謝します。
心からありがとう![]()