おはようございます音譜

 

久しぶりのブログ&読書記事です汗

 

私ってつくづく不器用な人間だと痛感…。

別にびっちり仕事に追われているわけじゃないのに、

単に気持ちにゆとりが無くなっちゃうガーン

読書したり、ブログに向き合う余裕がね。

 

でもそれなりにぼちぼち読書はしてるんです。



 

『長い別れ』 中島 京子

 

 

ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ

 

中学校の校長だった昇平は、認知症を患ってしまう。

最初は同総会の会場への道順が分からなくなるということから

病気が発覚し、徐々に症状は進行。

そのうちに常に行動を共にする自分の妻の名前も存在さえも

分からなくなってしまう。

 

それでもやっぱり我が家が一番。

そして子どものころに触れた原風景へと思いは募る。

 

病が進行していく父を見守る家族のありのままの姿。

 

ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ

 

認知症って、本当に切ない病気ですね。

特にその病気を患った人を見守る人たちが切ない汗

 

この小説は、主人公・昇平目線では一切語られません。

ただひたすら、認知症の夫を看病する妻と

その娘たちの視点で物語は進んでいきます。

 

しかも、湿っぽい話はあまりなく。

それだけ認知症患者を身近で支える家族の生活は

感傷に浸れるほど甘くはないということかもしれません。

それだけによりリアルに感じました。

 

認知症の夫を持つ妻自身にも「老い」という現実があり、

認知症の父を持つ娘たちにも「家族」という現実があり、

 

どちらか一方を取るということができないだけに、

家族はみな苦悩するんですよね。

 

この物語、ラストが秀逸アップ

 

あまり物語の中には出てこなかった

アメリカに住む昇平の孫が登場して

その中でこの本のタイトル「長い別れ」の意味が

明かされるんです。

 

ここで涙ですよ汗汗汗

 

「長い別れ」

なんて素敵な表現なんでしょう。

 

認知症という深刻な病を

現実を見据えながらも、決して悲観的になりすぎず。

とても素敵な物語に仕上げた中島さんの力量に脱帽ですドキドキ