こんばんは星空

 

連日厳しい冷え込みです雪の結晶

インフルエンザも猛威を振るっていますねDASH!

体調管理にはくれぐれも気をつけましょうパー

 

 

さて、スキーに明け暮れているせいで、

読書の方はとぎれとぎれ…。

 

やっと読了しました、こちら。

 

 

 

{0865B8A2-1C9F-4B51-B167-EB80991AF8E4}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『勇魚(上・下)』 C.W.ニコル

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

江戸末期の紀州・太地町は鯨獲りの村だった。

そこで筆頭刃刺を父に持ち、

近い将来その地位を継ぐこと疑わなかった甚助。

しかし、1匹の鮫との格闘で左腕を失ってしまう。

 

失意のどん底に沈む彼に希望を与えたのは

若き紀州藩士の松平定頼であった。

 

日本に開港を迫る外国からの脅威に対抗するためには、

強い海軍が必要だと感じた彼は、

優れた鯨獲りである甚助に密偵を持ちかける。

 

大切な家族と好いた女を村において

琉球に秘密裏に渡る甚助。

そこから、世界の海を舞台とした彼の第2の人生が始まる。

 

一方、

太地に残された甚助の家族

動乱の日本を憂い奔走する定頼

 

一度は大きく分離したそれぞれの人生が

長い時を経て、再び交わる…。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

狩猟民の話が大好物の私に、

ドンピシャ!の作品でしたアップ

 

 

「勇魚」というのは鯨の古称だそうです。

 

 

この作品を日本人ではないアメリカ人が

描き切ったという事実に、まずは驚かされます!

C.W.ニコルさん、かなり事前に調べられたんでしょうね。

 

日本古来の鯨漁と、アメリカ式の鯨漁の様子が

書かれていますが、日本式の方が断然カッコイイアップ

 

25艘の船団、300人を超える漁師たちの

見事までのチームプレイは勇壮かつ華麗です。

 

 

 

幕末という動乱の時代に生きた3人の男視点で

物語は進んでいきます。

 

小さな村を出て世界の海を渡り歩く甚助

国に命を懸けて仕える武士・定頼

甚助の身代わりとして生きる甚助の弟・三郎

 

 

それぞれが自分なりの大義のもとに

正直にまっすぐに生きた男たち。

 

 

だけど、どんな理由があろうとも、

戦に生きる男にも、

家族や恋人を捨て自分の夢を追う男にも、

共感できないわ~ダウン

 

 

だから、小さな村で、自分の家族との小さな平穏を守る

三郎の健気な姿に一番共感できました。

彼こそ、男の中の男だビックリマーク

長年心を閉ざしていた妻・およしと結ばれるシーンには、

涙を止めることができませんでした汗

 

 

歴史に名を刻む偉人でもなく、

多くの羨望の眼差しを受けたヒーローでもなく、

愚直に大切な人のために生きた男に胸を打たれるのは、私が女性だからでしょうか…。

 

男性なら、甚助や定頼に惹かれるのかな。

 

 

尊王攘夷の機運高まる幕末と

衰退する鯨漁の村の運命が重なって見えました。

時代の流れには抗えないということでしょうか汗

 

 

 

勇魚のように、

とてつもなくスケールのでっかい物語でしたアップ