こんにちは![]()
今日は成人式ですね。
私自身の成人式は遠~い昔のお話![]()
髪の毛をクリスマスツリーみたいにされたっけなぁ。
完全に美容師さん、私の頭で遊んだと思います![]()
さて、読書は久々の骨太ミステリーです。
『罪の声』 塩田 武志
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「テーラー曽根」の店主・俊也は
ある日父の遺品から謎の手帳とカセットテープを発見する。
テープには自分の幼少の頃の声が録音されており、
それはまさしく昭和を揺るがした脅迫事件に使われたものだった。
今なお犯人が捕まっていない、6つの食品会社を脅迫し、
青酸カリ入りのお菓子をばらまいた「ギン萬事件」
父はこの事件に関わっていたのか?
自分はその事件に巻き込まれていたのか?
父の親友の堀田に手伝ってもらいながら
事件の真相に迫るべく、細い人脈を辿っていく。
一方、大日新聞記者の阿久津は、
未解決事件に迫る年末企画で「ギン萬事件」を追っていた。
事件関係者と記者、双方から次第に真相に近づいていき、
1つの真実にたどり着く。
世間を揺るがした大事件の影で
人生を狂わされた加害者の子どもたち。
犯人を見つけるという当初の目的よりも
少しでも未来を見つけられる報道を。
記者魂が蘇った阿久津が見つけた一筋の光とは。
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昭和の時代を揺るがした「グリコ森永事件」が
モチーフになっているこの作品。
事実経過は、そっくりそのまんまグリコ森永事件をなぞっているので、
本当に事件の影にはそんな真相が潜んでいたんだと
錯覚を覚えるほどにリアルです。
私の記憶では、一般公開されたキツネ目の男と
店頭に並んだグリコのポッキーがビニール包装になっていたことが
とっても印象に残っているくらいで、
犯行に使われた子どもの声での指示テープは
まったく記憶にありませんでした。
お菓子に毒が入れられて、
日本中の子どもが標的にされたということだけじゃなく、
本人の意思に関わらず加害者一味にされることによって
ある意味被害者になった子どもがいたなんて、なんて残酷な![]()
この作品では、犯人探しに加え、
事件によって人生を翻弄された子どもたちに焦点が当てられていて、
単なるミステリーよりも読み応えも増しています![]()
慎重なウラ取りを軽視し、スクープを狙うことばかりの
近年の「報道」のあり方にも一石を投じているような気がします。
著者が元新聞記者ということもあるんでしょうね。
素人が読めば、これで十分報道に値するネタなんじゃない?と
思うものでも、徹底的に証拠集めに奔走し、
調査対象に対しても最大限の人権配慮を怠らない。
そして、何のために報道するのか?という
記者としての矜持が確かに存在します。
事件によって翻弄された子どもたちの「今」には
救いがなかったし、やるせない気持ちになりましたが、
最後に見えた「未来」に救われた気がしました。
被害者にも、加害者にも家族はいる。
そんな当たり前の残酷な現実を読者に突き付ける
秀逸のミステリー作品でした![]()
