「あなたの年齢ならまだ自然妊娠の可能性はあるけど、不妊治療を希望するのならどうぞ」ということで、女医先生は不妊治療専門の病院を2軒教えてくれた。
一軒はインディアノポリスにある個人病院、もう一軒は、パウリスタ通りに近いProjeto Alfa・Projeto Betaという病院であった。

まずインディアノポリスにある個人病院の方に説明を聞きに行った。日系人の男性医師の病院で、日本への留学経験があり日本語も通じ安心感はあったが、いかんせん我が家からは遠くて通いにくい。
また、この男性医師と雑談中に、夫の勤め先を言ったところ、「ああ、あそこなら◯◯さんもウチで治療しましたよ。◯◯さんご存知?」と言い出した。
おう……… 個人情報保護の配慮のカケラもない…
これには夫も苦笑いしていた。

次にProjeto Alfa・Projeto Betaの説明会を訪れた。
こちらは少し規模大きな不妊治療専門の病院で、複数の医師が所属している。
AlfaとBetaの違いは、Alfaでは担当医を選ぶことができ、一貫してその担当医が治療を行うが、Betaではその日の当番の医師が診療し指名不可なので、治療中は様々な医師に診てもらうことになる。
費用はAlfaの方が少々高いらしい。
Betaの費用は、患者の所得に応じて負担額が変わる。
所得が高い夫婦なら高く、所得が低い夫婦なら低く。Betaは費用のハードルを下げ、より多くの夫婦に不妊治療を提供することを目指しているそうだ。

利益追求型ではない不妊治療専門病院というのに興味を惹かれ、我々夫婦はProjeto Betaで治療することに決めた。