サンパウロは地球の裏側にも関わらず、日本で食べ慣れた食材が手に入りやすい。
関税により日本の約三倍の値段になってはいるが、見慣れた調味料や菓子類が手に入るのはとても嬉しい。
農産物に関しては、日系移民の方々の努力の賜物で、年々改良されているのが分かる。
また他国の移民も頑張っている。韓国系スーパーではキムチは勿論のこと、牛や豚の薄切り肉や明太子なんかも売っている。
日本人が多く住んでいるエリアのブラジル人経営のお肉屋さんでは、頑張って肉の薄切りに対応してくれるところもある。
先日は、サシはないが赤身の牛薄切り肉と深谷ネギを入手した。
連日冷え込んでいるサンパウロ。
白滝もある。シメジもある。ここはひとつ、すき焼きを作るか!と腕まくりをしたものの、鍋に入れる緑が足りない。
理想は春菊だが、サンパウロに来てからこのかた、春菊にお目にかかったことがない。何処かに売られているのだろうか?
もう一度冷蔵庫を開けると、目に付いたのは白菜ほどの大きさの立派なレタス。
大きめに千切って鍋に投入。
これが大正解だった。しなっとしているものの歯応えが残り、何よりもほんのりとした苦みが、すき焼きに合う。
手に入る食材で工夫してみる。当たり前のことだが、それが功を奏するとお腹も心も満たされるのである。