アシュラ(ジョージ秋山) | 測量師Kのゴルフブログ

アシュラ(ジョージ秋山)

震災と余震で使っていた本棚が本の多さも手伝って崩壊寸前。

という事で本棚を新しくするべく奥さん中心というか、奥さんが本棚を整理。
奥さんいつもすみません。。

馬鹿のアマゾン無計画買いの弊害で結構重複している本が発見されました・・・

その中で上下巻重複していたのがジョージ秋山の問題作【アシュラ】。。

この漫画、小学生のころ何かのきっかけで読んだことがあり、非常に衝撃を受けトラウマになった一冊。
ジョージ秋山だと、「ゼニゲバ」のほうがドラマ化もされて有名ですが「アシュラ」は何冊かある問題作の中の筆頭ですね。

テーマは人間の本質や業、独特の宗教感。

人間は追い込まれた時に人肉をくらっても生き延びる。。

自分の子供を殺し生きるための糧としてしまう人間の弱さ、本質的に持つ生への渇望や業についてジョージ秋山の持つ宗教感みたいなものを軸に書かれた漫画です。

印象的なのは、親に殺されかかった主人公のアシュラが親に対し生まれてこなければよかったというセリフやアシュラの葛藤に対し、ストーリーテラーとは異なるがストーリー全体に対してある種の偏りを提供する象徴的な存在の僧侶が「両親を許してやれ、許す事で救われる」と説く。

そして獣として生き続ける事にこだわるアシュラに自分自身の腕を切り落とし食せと迫る。

アシュラはそれを食べる事が出来ず僧侶に問う。なぜ腕を切り落としたのかと。

獣であるおまえは人肉を食らい生き延びてきた。この腕腕は人間となったお前への祝いだ。
理性を取り戻し人間であるおまえが食べた腕である。

人間は理性的な生き物である。但し、理性は生死ギリギリのところで崩壊する事もある。
それが人間の持つ業である。
弱さを認め内なる獣の存在を理性で抑え希望を持ち生きる。
内なる獣の存在を業として受け入れ許し人間として生きることで初めて勝利となる。

殺人やカニバリズム等、ショッキングな内容故に長い事、発禁になっていた問題図書ではありますが人間や生きるということについて考えさせられる一冊。

この書籍では未完成な部分も多く粗削りな感じもありますがジョージ秋山の持つ作家としての宗教感や人間が生きる事で葛藤するカルマみたいなものに触れると少し人に対し客観的になれる。
又、自分自身にも。

何故、2011年にアシュラの話を書いているのか自分でも不思議ですがソフィスティケートされすぎた時代に切り捨てられた人間の本質が書かれた良書な気はします。

アシュラ (上) (幻冬舎文庫 (し-20-2))/ジョージ秋山

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アシュラ (下) (幻冬舎文庫 (し-20-3))/ジョージ秋山

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島田雅彦が何故この本のあとがきを乱暴に書いているのかも不思議ですね。。