昨日の夜中にめずらしく、まだ妻からメールがあった。


「あんた昼に何食わしたのっ!」のっけから怒号。

「はぁ?」早めに床に入っていたので、やや寝ぼけて電話に出るオレ。


「息子がさっきからゲーゲー吐いてるのよ!昼に何食わしたの!」

「だ、大丈夫か?」彼女のヒステリーにはいい加減慣れてきたオレは

自分までヒートアップしないように、声のトーンを落として話すようにする。


「大丈夫か、どうか、わかんないから聞いてんのよ!何、食わしたのよっ!」

「えーと、タマゴのサンドイッチと、バナナのサンドイッチ」

「あなたが作ったの?」(もう鼻息すら聞こえてきそうな勢い)

「弟の嫁さん」

「…それから?」

「あと…、リンゴをあげたけどかじっただけ。あ、ブルーベリーかな。」

「オヤツは?」

「タマゴボーロと、なんか"はと麦"のパフ? ねぇ、どんな状況なんだよ?」

「だから吐いてるって言ってんでしょ!」

「変なモノは食わせてないよ。」

「じゃぁ、やっぱり風邪かしら…。だから外に出したくなかったのよ!」


「でも、今日はとても元気だったぜ」

「元気に見えても、子供はすぐ熱が出たりするのよ! 私、言ったでしょ!風邪気味みたいって。

 なんで早く帰さなかったのよ!」


確かに帰すのは夕方17時50分になってしまった。


「そんな怒鳴るなよ。急に体調が悪くなるなら、オレのせいとも限らないだろ?」

「体調悪いって言ってるんだから、考えて行動してよ! 息子がかわいそうでしょ!」

「おい、いい加減にしろよ! そうやって自分だけの所有物みたいに言うなよ!

 オレの息子でもあるんだぜ、心配ないわけないだろっ!」

ついにオレも、彼女のヒステリーな「あなたが悪い節」にキレる。


「あなたとケンカしてる状況じゃないって、わからないの! 息子が今大変なのよ!」

「最初っからケンカ吹っかけてきたのは、そっちだろ! オレだって心配だから様子を聞いてるんだろ!

 それをなんだよ! お前には誠意ってもんがないのか?」

「誠意ね、はいはい、ありがとうございましたっ! コレで満足!?」

「お前、アホか! とにかく、そんなに状態がヒドいなら病院連れてけよ!」

「こんな時間から連れて行けるワケないでしょ!」


彼女がオレと一緒に東京に住むのをイヤがったとき、オレが

「こっちなら歩いていけるところに総合病院が3つもあるんだから安心だろ」と言ったら

「バカにしないでよ!あっちにだって病院くらいあるわよ!ヘリコプターが緊急に時はきてくれるんだから!」

…どんな田舎だよ。

そういってたのに、このザマだ。


「明日連れて行きますから、ご心配なくっ!」

「君は忘れてるかもしれないけど、オレも息子の父親なんで心配なんでね! 病院行ったら連絡ください!」

「はいはい、そうしますよ! はい、さようならっ!」ガチャン。


その後、オレは息子が心配でしばらく眠れなかった。

乳児の嘔吐症状についてネットをチェックしたり、

弟に同じものを喰った従弟は大丈夫か確認したり、

気が付いたら2時…「明日の早朝マラソンは中止だな。」


今朝になって、まだ妻から「おかゆ食べてる」とメール。

あいかわらず、そっけないメールだが、

とりあえず一安心したら涙が出てきた。


つい、まだ妻にも「怒鳴って悪かった。君も心配だったんだよな。」みたいな

メールを打ってしまう。


それにしても無事でよかった。


…が、明後日の離婚調停は荒れそうだ。