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古村治彦の政治情報情報・分析ブログ 2026年01月09日

アメリカ国内の分裂状況は進む:内戦ぼっ発の可能性も視野に入る

古村治彦です。

スティーヴン・ミラー大統領次席補佐官が主導する、ドナルド・トランプ政権が進める不法移民摘発はついに死者を出す事件を引き起こした。移民関税執行局の捜査官たちは全米各地に派遣され、不法移民摘発を行っている。

 

これには民主党支持が多い州からは批判が起きており、これに対して、トランプ大統領は州兵派遣を行うという対決姿勢を見せていたが、一部の都市からは州兵を引き上げさせている。

 

ミネソタ州ミネアポリスで移民政策に反対する抗議者に対して、移民関税執行局の捜査官が発砲し、抗議者の30代の女性が死亡した。連邦政府側は抗議者たちが移民関税執行局の捜査官たちを自動車で攻撃して殺害しようとしたために、自衛のための発砲で、「国内テロ行為」に対処だったと主張している。

 

ミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長はこれを否定し、激しい言葉で非難している。

 

ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、ミネソタ州兵に対して、手動準備を行うための「警告命令(warning order)」を発令した。ミネソタ州兵を出動させ、移民関税執行局の行為を妨げよる意思を示すことで、連邦政府側の動きをけん制する狙いがあるように思われる。

 

このブログでも紹介したが、「TACO(トランプは常に最後には怖気づく)」という言葉も出現しているように、トランプが引くという計算もあるのだろう。

 

 

話は逸れるが、ウォルツ知事は2024年の大統領選挙で民主党のカマラ・ハリス前副大統領の副大統領候補として出馬した経歴を持つ。トランプ政権は2025年12月、みねそとぁ州の融資制度を巡る大規模な詐欺疑惑を理由に550万ドルの資金拠出を停止するなど、ウォルツ知事への圧力を強め。ウォルツは次の選挙には出馬しないと表明する事態に追い込まれた。

 

ウォルツ知事は大学院時代、そして高校教師(兼アメリカンフットボールのヘッドコーチ[監督])時代から中国との深い関係を持っており、何度も訪中していた。このこともトランプにとっては気に入らない点だったと推察される。

 

問題は、ミネソタ州兵が移民関税執行局捜査官たちと実際に対峙するような状況になった場合である。トランプも引かずに、そのまま不法移民摘発を継続するように命じた場合には、事態はエスカレートする可能性がある。

 

州兵と捜査官が対峙し、そこで発砲でも起きれば、衝突する事態となる。これはもう内戦(civil war、シヴィル・ウォー)状態ということになる。

 

「まさかそこまで」「言い過ぎだ」という批判もあるだろうが、何が起きるかは分からない。不測の事態に常に備えておくべきだ。それでも不測の事態は想像を超える内容で起きる。それが歴史を動かしてきた。

 

一発の銃声が第一次世界大戦を引き起こした例もある。

 

(貼り付けはじめ)

ウォルツ知事、ICEによる致命的な銃撃事件を受けてミネソタ州兵に警告命令を発令Walz issues warning order to Minnesota National Guard after fatal ICE shooting サラ・デイヴィス筆 2026年1月7日 『ザ・ヒル』誌 https://thehill.com/homenews/state-watch/5677541-walz-minnesota-national-guard-ice-shooting/

 

ミネソタ州のティム・ウォルツ知事(民主党)は水曜日の朝、ミネアポリスで女性が移民関税執行局(Immigration and Customs Enforcement、ICE)捜査官に射殺されたことを受け、ミネソタ州兵に出動準備のための「警告命令(warning order)」を発令したと述べた。

 

ウォルツ知事は水曜日の記者会見で次のように述べた。「ドナルド・トランプとその政権はミネソタ州のことをあまり気にしていないかもしれない。それは明らかだ。しかし、私たちはこの州を愛している。彼らに州を引き裂かれるようなことはさせない。私たちは互いに敵対することはない」。

 

ミネソタ州兵の統合参謀本部部長サイモン・シェーファーは、州兵は1万3000人の陸軍と空軍で構成されており、「州機関とミネソタ州民に常に対応し、支援する準備ができている」と述べた。

 

シェーファーは、知事の警告命令を受け、州兵が動員される場合に備えて、装備の点検や隊員への連絡など出動準備を開始したと述べた。

 

ウォルツ知事は次のように述べた。「ミネソタ州民の方々へ申し述べたいことは、州兵は皆さんを守り、憲法上の権利を守るためにここにいるということだ。彼らは私たちの隣人だ。彼らは覆面をしていない(ICEの捜査官は覆面姿)。どこからか押し入ってくる訳ではない。皆さんに迷惑をかけるために、あるいは今日私たちが目にしたような悲劇を引き起こすためにここにいるのでもない」。

 

州兵の準備に加え、知事は州犯罪捜査局が事件の捜査を行っていると述べた。この事件では、覆面をした捜査官がミネアポリスの道路の真ん中で車両に近づき、加速した車両に向けて発砲する様子が録画されている。

 

ウォルツ知事はまた、州緊急対策センターと州警察の機動対応ティームのメンバーを動員したと述べた。

 

ウォルツ知事は「今後、私は非常にシンプルなメッセージを送る。連邦政府からのこれ以上の支援は必要ない。ドナルド・トランプ大統領とクリスティ・ノーム(国土安全保障長官)、もうたくさんだ」と述べた。

 

知事は、全米各地の都市でトランプ政権が進めている移民取り締まりに対抗するため、アメリカ国民に団結を呼びかけた。

 

ウォルツ知事は「これをご覧のアメリカ国民の皆さん、ポートランドにいても、ロサンゼルスにいても、シカゴにいても、あるいは彼らが次に向かう場所にいても、私たちと共に立ち上がって欲しい。私たちと共にこれに抗議し、対抗して欲しい」と述べた。

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(国土安全保障省(DHS)はミネアポリスで移民関税執行局(ICE)が関与した致命的な銃撃事件を確認した(DHS confirms fatal shooting involving ICE in Minneapolis)

サラ・デイヴィス筆 2026年1月7日 『ザ・ヒル』誌 https://thehill.com/homenews/state-watch/5676754-minneapolis-ice-shooting-walz/

 

国土安全保障省(Department of Homeland Security、DHS)によると、水曜日にミネアポリスでICE捜査員が女性を射殺した。

 

トリシア・マクローリン国土安全保障次官は、ソーシャルプラットフォームXに、事件は「暴力的な暴徒たち(violent rioters)」が市内で実施されたICEの作戦に妨害を試みたときに発生したと投稿したが、ミネアポリス市長はこの主張を強く否定した。

 

マクローリン次官は、抗議者の1人が「捜査官を轢いて殺害しようとした。これは国内テロ行為(an act of domestic terrorism)である」と主張した。

 

マクローリン次官は次のように書いた。「移民関税執行局職員は、自身の命、同僚の法執行官の命、そして公衆の安全について懸念を持ち、防御のために発砲した。彼は訓練を活かし、自身と同僚の命を救った。容疑者は銃撃され、死亡した。負傷した移民関税執行局職員は完全に回復する見込みだ。」

 

ミネアポリスのジェイコブ・フレイ市長は、国土安全保障省による事件の説明は虚偽であると主張し、激しい罵詈雑言を浴びせた。また、事件の映像を見たとも述べた。

 

「私自身も映像を見たが、皆さんにはっきり言っておきたい。これはでたらめだ。捜査官が無謀に権力を行使した結果、ある人が命を落とした」。

 

ミネソタ州のティム・ウォルツ知事は水曜日、州内の公安ティームが銃撃事件に対応中だと述べた。

 

ウォルツ知事は「詳細が分かり次第、情報を共有する。それまで、皆さんには冷静さを保っていただくように要請する」とソーシャルプラットフォームXに投稿した。

 

トランプ政権の移民法執行の一環として、数百人の連邦捜査官が最近、ミネソタ州に派遣された。

 

この取り組みは、州内で不正行為をめぐる論争が続く中で行われたもので、ウォルツ知事は今週初め、今年の再選を目指さないと表明した。

 

AP通信によると、オンラインで共有された事件のライヴ映像には、衝突事故に巻き込まれた複数の車両と、グレゴリー・ボヴィーノ司令官を含む多数の連邦および地方の法執行官が映っていた。

 

ボヴィーノは昨年9月、ロサンゼルスで移民関税執行局(ICE)による積極的な移民取り締まりを指揮した。

 

ミネアポリス選出のイルハン・オマル連邦下院議員(民主党)は、Xフォーラムに「状況を注視し続けている(monitor the situation closely)」と投稿した。

 

「移民関税執行局は、私たちのコミュニティへの恐怖を止め、この街から立ち去らなければならない」とオマル議員は書いた。

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●「移民取り締まり中に抗議の女性を射殺 ミネアポリス市長は「ICEは出て行け!」と激怒 アメリカ・ミネソタ州」1/8(木) 7:42配信 FNNプライムオンライン(フジテレビ系)

 

アメリカのICE(アイス、移民関税捜査局)は7日、ミネソタ州で取り締まり中に「女性が車で捜査員をひき殺そうとした」として発砲し、女性は死亡したと発表しました。

 

ミネソタ州ミネアポリス市で、ICEの捜査員らが大規模な移民取り締まりを行っていたところ、抗議する人たちと衝突しました。

 

当局側は、抗議をしていた人のうち、車で道路をふさいでいた女性が「捜査員らをひき殺そうとしたため、捜査員が銃を発砲し女性は死亡した」と発表しました。

 

また、女性の行為は「テロ行為」で、捜査員らは負傷し、発砲は正当な行為だったと強調しました。

 

一方、ミネアポリス市長は、発砲の一部始終をとらえた動画と説明がまったく異なると指摘したうえで、捜査対象ではなかった37歳の女性が死亡したと激しく反発しました。

 

ミネアポリス市のフレイ市長は、会見で「これが自己防衛だというのは、まったくでたらめで真実ではない!」、「ICE、ミネアポリスから出て行け!ここにお前らはいらない」などと話しました。

 

ICEなど取り締まり当局はこの日、2000人規模の取り締まりを行っていて、移民の受け入れに寛容なミネソタ州との対立が続いています。

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

 

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