最近すれ違ってばかりいる。
仕事柄、当たり前のことなんだけど…。

やっぱり、寂しい。






【会いたいと、ただ思う】






もう何度目だろう。
さっきから俺はずっと時間を気にしてる。
日はもう沈みかかっていて。
腕時計に目をやっては溜息をつく、その繰り返し。
よく飽きないな…そっと、自嘲気味に笑ってみる。

貧乏揺すりが始まりそう。


大野と会わなくなって一週間近くが過ぎていた。

別にケンカしたわけじゃないし、仕事だからそんなことよくある話だけど。



今日はなんだか我慢できないんだ。



どうしようもないほど彼の声が聞きたい。あの、いつもちょっと困ったような顔を見たい。ふと見せる優しい表情や甘い声音が俺の頭を掻き乱す。抱きしめて思い切り甘やかしたい。我が儘を聞いてやりたい。全て、彼の言うままに。
会いたくて、たまらない。



「智くん…」



呟きながら、櫻井は自分の髪をかきあげた。

その時、視界の中に自分以外の足があることに初めて気付く。
ゆっくりと、確かめるように視線を上げていった。
その先には…




「翔くん、俺のこと…呼んだ?」




ふにゃっと柔らかい笑顔で尋ねてくる可愛い恋人。
もう、我慢なんて出来るはずがなかった。



「…っ、どうしたの?」



いきなり抱きしめた俺に、大野はきょとんとしてる。
その顔はちょっと困っていて。



「誰かに見られるよ…?」



周りを気にしながらも俺の背中に静かに腕を回してくれる。




「お願い、キスして」




だから俺は、珍しく甘えるような声でお願いしてみた。
彼は更に困った顔をしたけど。

それでもゆっくり囁いた。






「…寂しかった?」






敵わない。そう思った。
俺の些細な変化を不思議なくらいいつも見抜く。




「キス…して?」




耳元で、自分の出来得る限り優しく、優しく囁いた。
普段滅多に自分からしない大野がそっと顔を近づけてくる…。






唇が、触れた。






まるで慰めるように、触れるだけのキスが何度も何度も繰り返される。
とても、愛しい。
こんなに愛しい人が傍にいてくれるなんて…目を閉じ自分の幸運に心から感謝した。
そして俺は大野を強く抱きしめる。

今まで会えなかった分、君の存在を強く確かめるために。

深く深く、甘いキスをした。







「俺には智くんが必要みたい」
離れ際にそう言うと。
「知ってる」
満足そうに、君が笑った。













fin...


翔智(・∀・)

智くんは翔くんのすべてを知ってるんですよね(-∀-)

信頼関係ですよね(-∀-)

翔智、好きです(・∀・)主張?