私は40歳から、ハワイで不妊治療をスタートし、

 

IUI(人工授精)を3回行うも上手くいかず、IVF(体外受精)へと移行しました。

 

 

ハワイで採卵を1回し、

幸いなことに8個の胚盤胞ができたので、

ハワイで移植を2回、行いました。

 

残念なことに、

1回目は3個の胚を移植したけれど妊娠に至らず、

2回目は2個の胚を移植し、子宮外妊娠になりました。

 

 

そして、オレゴンに移住後、ハワイで採取した胚盤胞を使い、3度目の移植を行いました。

 

1個の胚を移植し、めでたく妊娠することができました。

(トラブルはいろいろあったけれど……w)

 

 

オレゴンに来て、初めて行った移植、しかも1個の胚盤胞が、一発で妊娠に至ったのは、本当にラッキーだったと思いますが、

 

ラッキー以外の要素も、あったのではないかと思うんです。

 

私としては、妊娠するかしないかの明暗を分けたのは、やっぱり「着床前診断」じゃないかな、と思います。

 

 

ハワイでは、胚盤胞の着床前診断を行いませんでした。

2回、系5個の胚を移植したけれど、そのうち何個が正常な胚だったのか、染色体異常のあるアブノーマルだったのかは、不明です。

 

一方、オレゴンでは着床前診断を行い、3つの胚のうち2個がアブノーマル、1個が正常という結果が出ました。

 

その1個の正常な胚を移植して、妊娠に至ったわけです。

 

 

 

もちろん、これだけでは何とも言えないとは思います。

妊娠って、さまざまな要因が複雑にからみあって起こる、奇跡のようなものだと思うので。

 

 

ただ、あくまでこれは私の実感値ですが、やっぱり着床前診断をして良かったと思っています。

もし着床前診断をしなかったら、2個のアブノーマルな胚を移植し、いったん妊娠して初期流産につながっていたかもしれない。そうなると、体にも精神的にも相当なダメージを受けます。

 

流産すると、次のトライにも時間がかかる。

私のように40代での妊活では、時間は死活問題です。

 

 

ノーマルな胚でも、妊娠に至らないケースは多々あります。

ですが、アブノーマルな胚よりは、格段に妊娠率が高く、安全に妊娠・出産まで進めるのも事実。

 

 

なので、私の個人的な意見としては、IVFをするのであれば、着床前診断を受けることを、おすすめしたいです。

日本の現状では、難しいようですが……。

ぜひ今後、改善されるといいなと強く思います。

改善されるべき。

 

 

着床前診断を「命の選別だ」と捉える向きもあるかと思いますが、それも偏った考えのように思います。

 

着床前診断で分かるのは、あくまで染色体の異常のみです。

化学流産や初期流産は、胎児の染色体異常が原因と言われていますが、それを防ぐための方法だと捉えることができると思います。

 

逆に言えば、染色体異常ではない、他の障害については、調べることができません。

視覚や聴覚の障害、四肢の麻痺などの障害、自閉症や発達障害など、ほとんどの障害は、生まれてみないとわかりません。

生まれてからすぐには分からない障害も、たくさんあります。

 

そもそも着床前診断で胎児のすべての可能性を見極めることは、できないのです。

あくまで、染色体異常を見極めるのみ。

 

正確に言えば、性別も着床前診断で調べることができますが、知りたくなければ、検査機関にそのように伝えればいいだけです。私たち夫婦も、性別については妊娠中期のエコーで知りました。

 

 

 

 

不妊治療をされている方は、さまざまなコストをかけて、犠牲を払って、治療に望んでいます。

たくさん情報収集もしているし、子供を持つこと、親になること、運で育てることについて、考え抜いていると思います。

 

なんで親になりたいんだろう?

なんで子供がほしいんだろう?

 

と、考えて考えて、悩みに悩んで、治療にのぞんでいると思う。

 

そんな状況の中で、

 

「子供は欲しいけど、障害児はいらない」

 

と考える人って、いないんじゃないかな、と思うんですよね。

わからないけれど。

 

少なくとも私は、40代で不妊治療をする中で、障害を持つ子供を育てることについて、常に常に考えてきました。

年齢的に、障害を持つ子供が生まれる確率が高いと言われてきたからです。

 

着床前診断をしたからといって、生まれてくる子供が何かしらの障害を持っている可能性は、大いにあります。

それは、母体の年齢が若くても、同じなんですよね。

 

 

どんな子供でも、かけがえのない、私たち夫婦の子供です。

 

「障害があったらどうしよう」ではなく、「こういう障害があったら、こうしよう」と、前向きにシミュレートできるようになったところで、私は不妊治療に踏み切りました。

 

障害があってもなくても、子育てにはさまざまな苦労があるものだと思うし。

一人の人間を育てるのだから、大変で当たり前ですよね。

そのぶん、楽しさや喜びも多いと思うし。

 

 

そんな風に私は考えているので、着床前診断が命の選別につながるという考え方には、どうしても賛同できないんですね。

あくまで初期流産のリスク回避でしかないと思います。

 

 

 

ちなみに、ハワイのクリニックには、日本から不妊治療のために訪れるカップルがわりと多いようで、通訳サービスもあるほどでした。

 

渡航滞在の費用や時間を考えると、ハワイに来て不妊治療ができるカップルは限られてしまうとは思いますが、着床前診断を含め、現在の日本で許可されていない治療を受けられるメリットは大きいのだろうな、と思います。

 

 

日本での着床前診断、早く実現しますように……!!!