突然の出血から、約1週間後。
胚移植から初めての経膣エコーを撮るために、ポートランドのIVFクリニックへと向かいました。
この日は夫の付き添いはなく、私ひとりで。
担当ナースからは「この時期の出血はよくあること、流産とは限らない」とは聞いていたけれど、ひたひたと続く出血に、やっぱり流産では……と不安になっていました。
以前、9週目で流産した時、
経膣エコーで「胎嚢の中身が空っぽです」と言われた時の、なんともいえない暗い記憶が、何度も何度も脳内をループします。
もし、今回もダメだったとしても、また採卵からやり直せばいい。
気持ちを強く持っていこう!
と、自分を鼓舞しながら、診察室へと入りました。
服を脱いで待っていると、入ってきたのは、初めて会うドクターでした。
「今日はドクター〇〇は不在なので、私がエコーを担当しますね」
と、細身でスポーティなその女性ドクターは言いました。
ドクター〇〇は、初診のカウンセリング(1時間450ドル)と、胚移植の2回しか会ったことがない、私のIVF主治医(一応)です。
ほんと、主治医とは名ばかりなんだよなあ。
まあ、もう、どーでもいいんですけどね。
大事なのは、経膣エコーですよ。
ドクターが、器具をぐりぐりとやって、「見えるスポット」をさぐっていきます。
私はモニターを凝視しているけれど、正直、なにがなんだか分からない(笑)。
エコー画像って、説明されないと、どこがどうなってるのかさっぱりです。
しばらくして、ドクターがひとこと。
「うん、いい感じですね!」
と、いうことは……?
「胎嚢も胎芽も、この週数のサイズにちゃんと育ってますよ」
そうなんだ!
流産してなかったんだ!!
よかった〜〜〜〜〜〜!!!!!(涙)
「心臓もしっかり動いてますよ。いま心音を聞かせますね」
サウンドがオンになり、
クシュッ、クシュッ、クシュッ、
という元気な心音が、流れてきました。
モニターでは、小さな丸が、音に合わせてひょこひょこと動いていました。
わ、生きてるんだ……。
もうすでに自分の心臓を持って、生きてるんだ……。
注射1回飛ばしたのに、出血してるのに、それでもこんなに力強く、生きようとしてるんだ……。
がんばれ、がんばれ!!
私もがんばるから、どうかがんばって!
いや、違うか。
一緒にがんばろう!!!
だね!!
胎児の心音を聞くのが生まれて始めてだったので、感極まって、頭の中がこんがらがってしまいました。
7周目でも、こんなにはっきりと、聞こえるものなんですね〜。
ドクターに出血していることを聞くと、
「妊娠初期の出血はよくあることだから、心配する必要はないです」という、担当ナースと同じ回答。
ただし、もう少し突っ込んで話してみると、
「出血してもOKということではなく、ダメになる場合もある。かといって、妊娠初期の出血を止める方法は特にないので、経過を見守るしかない」
ということでした。
つまり、何も打つ手がない、ということですね。
「とにかく安静に。立ったり歩いたりするのは最低限にして、体を休めること」
と、言われました。
なるべく無理をせず、体を休めて、精神的にもストレスがかからないように、おだやかに過ごす。
それしか、今のところ出来ることがなさそうです。
あと、注射を飛ばさないこと!!
次のエコーは、2週間後。
それまで、どうかこのまま元気に育ってくれますように!!!!!