【305】からのつづき
Mさんとともに宮内駅から普通列車にひと駅乗って、長岡駅ビル内のこちらへ。
日本酒「久保田」で知られる朝日酒造さんのアンテナショップ的な販売&試飲スペース。
先ほど試飲用に少し出していただいた「充光(じゅうこう)」が燗に合いそうだったので、180ミリお願いすると、「違う温度でお楽しみ下さい」と90ミリずつ徳利で出して下さる。


燗付け器に張られた湯に徳利を入れ、1本を48度、もう1本を60度近くまで上げて、味や香りの変化を楽しむ。
お店の方が「何度にされましたか? 」とおっしゃるので、「48度と59度」と答えると、「48度とは細かいですねぇ」とお笑いになる。
私の答えが正解だったのかは別にして、そのあたりから店員さんのレクチャーのギアが少し上がり、色々と勉強させていただく。
すでに乗る予定の新幹線の発車まで10分を切っており、Mさんと1時間後の列車に変更することを確認の上、「久保田 碧寿(へきじゅ)」を90ミリずつの徳利でお願いして、脇役に漬け物を追加。
燗向けに開発された碧寿は、先ほどより低めの45度と55度で引き上げて、猪口に注ぐ。
Mさんは、吉乃川酒造でそれなりの量をこなした後に、私に付き合って普段は呑まないという燗酒をやったせいか、かなりメーターが上がってきた感じ。
お店の方は「2度漬け(徳利を再び湯に浸して燗酒の温度を上げること)OKですよ」と言って下さり、燗好きにとっては理想的な駅ナカラボ。
この日は、55度まで上げた方の碧寿が38度くらいに落ちてきた頃合いが私にとってのベスト酒。
(つづく)




