川越などとともに小江戸と称される佐原は、江戸時代に舟運で栄えた頃の町並みが残されており、千葉県内で唯一、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されている。
江戸期の人物で松尾芭蕉、葛飾北斎と並んで私が敬愛する伊能忠敬が30年間を過ごした土地でもあり、今まで訪れていなかったのが不思議なくらい。
鹿島神宮や銚子には複数回訪れているのに、佐原を訪れていなかったのは不覚だったなぁ、などと反省しつつ、バスターミナル東京八重洲から高速バスに乗る。
バスは20数人の乗客を乗せて湾岸線を東に走り、東関東自動車道の酒々井インターチェンジで高速を降りると、酒々井プレミアム・アウトレットに立ち寄って10人ほどを降ろす。
乗車不可の停留所のはずなのに、4分ほど時間調整してから発車して再び高速に上がり、大栄ジャンクションから圏央道を北上、神崎インターチェンジで降り利根川に突き当たると右折して川沿いを東に進む。
緩やかな流れの利根川を眺めながらバスの揺れに身を任せていると、気持ちもゆったりしてくるが、関東の南海上を台風が北上している影響か、時折車窓に強雨が叩きつけているのが気になる。
気を揉んだところで晴れるわけでもないので、あまり気にしないようにして車窓の風景を楽しんでいるうちに、バスターミナル東京八重洲から約1時間半で佐原駅に到着。

