【271】阿品東で途中下車 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

【270】からのつづき


広電廿日市に戻ると、すぐに広電宮島口行きがやってきたので乗り込み、3950形のロングシートに腰を下ろしてひと息ついていると、雨は上がり雲間から日が射している。


電車は走っては停まりを繰り返して客を入れ替えながら西に進み、地御前(じごぜん)を過ぎると進行方向左側に広島湾が現れる。


少し海を眺めようと阿品東で下車し、ホームを出て線路と並走する道を渡ると、水辺に降りる階段に散歩途中らしい初老の男性が座っていたので、浜に足を踏み入れて問題ないかと尋ねると、潮がひいたばかりだから気をつけて歩いた方がいいとアドバイスを下さる。

目の前には牡蠣の種付け場があり、その向こうには江田島が見えている。

江田島は海軍兵学校があった島で「同期の桜」という日本酒を醸す蔵もあって、行ってみたい場所のひとつ。

夕暮れ時の広島湾を眺めながら初老男性が話してくれる江田島や宮島の話を聞いていると心が癒やされ、この旅での忘れられない時間になった。

礼を述べて階段を上がり、阿品東のホームに立つとすぐに広電宮島口行きがやってくる。
最新型の連接車両に5分ほど揺られ広電宮島口に到着。

最初に乗った広電車内で買ったのは、宮島口~宮島間の宮島松大汽船にも乗ることのできる1日乗車乗船券なので、このまま宮島に渡ることにする。

宮島口~宮島間は宮島松大汽船のほかJRの連絡船も並走しており、7~15分ヘッドの高頻度運航も相まって船は小さいながら輸送能力は高い。
船は港での転回が不要なよう、前後どちらからも人や車の乗り降りが可能な造りになっており、横から見ると左右対称で面白い。
すでに宮島から戻る人たちがメインの時間になっているようで、空いた宮島行きの客室に腰を落ち着けると、船はゆっくりと宮島口を離れた。
(つづく)