過日、群馬県渋川駅前の「地酒屋ぽん」さんで一杯。
その10日ほど前に従兄弟から、ぽんさんで吞んでいる写真がLINEで送られてきた。
2016年11月の開店からコロナ禍に入るまでは、年に3回程度の頻度で伺っていたぽんさんだが、最近は年2回のペースに落ち着いており、前回訪れたのは昨年6月末で1年以上空いてしまっている。
従兄弟からのLINEに触発されて、あぁ今からでも行きたいなぁ、と思ったものの直近で外出できそうなのは盆休み真っ只中なので、ホテルを取るのは難しいだろうと思いつつ、念のため宿泊予約サイトをのぞいてみると、 定宿のセミダブルが「直前割」として安く売り出されている。
迷わず予約を入れて、ぽんさんのご主人に訪問日時を伝える。
当日は、在来線を新宿、高崎で乗り継いで渋川入りし、ホテルの大浴場に浸かってからぽんさんに向かって、生ビールでスタート。
最近とみに注目度が上がっている羽田酒造さんの「脱兎」シリーズの季節限定「野兎の宴」。
京都の山あいにある蔵で、京都限定の酒米「京の輝き」と、上桂川の伏流水で仕込まれた京都テロノワール日本酒で、はんなりした旨みと爽やかさが同居してうまい。
兎といえば愛知県は丸石醸造さんの「二兎」が東京でもすっかり定着しているが、京都の脱兎はまだ見かけることが少ない。
ちなみに、この日のぽんさんの冷蔵ケースにも二兎が入っていて、3羽の兎がいるんだなぁ、と思いかけて、1羽は脱走してるから2羽が正しいのかなぁ、いや、そもそも二兎を追うと一兎も得ないらしいからゼロかなぁ、と「ウサギ算」に酔い始めの頭を悩ます。
2杯目は、従兄弟から写真が送られてきたこちら。

埼玉県は五十嵐酒造さんの「五十嵐 夏めく 純米酒」 無濾過生原酒直汲み。
この1本は、2023年5月製造の令和4BYで2年ものの夏酒という珍品だが、保管状態との相性が良かったのか味わいがグッと上がっていて底堅い旨さが感じられる。
ぽんのご主人は、他のお客さんの酒の準備をしながら「今日もバスに乗ってから来たんですか?」と尋ねて下さる。
これまで渋川を20回以上訪れており、ぽんさんでの一杯とともに関越交通の旧型バス乗車を楽しんできた。
旧型バスはこのブログで繰り返し紹介している、1990年代製造の「いすゞキュービック」で、2022年まで渋川・伊香保温泉エリアの主力として難なく乗ることができたが、翌23年に訪れた時には多くが置き換えられ、昨年6月末に活躍が確認できたのは1台のみだった。
昨年6月末に乗車した際に、あと数ヶ月で廃車になるとの見通しをドライバーさんが示されていたので、今はすでに姿を消しているものと考えており、その旨をぼんのご主人に伝えると、「まだ走ってますよ」とおっしゃる。
ぼんのご主人は決してバスに関心のある方ではないが、毎回私が旧型バス(私との間ではエンジン構造に基づき「V8」と呼ぶ)の話をしてきたせいか、何となく気にして下さっているようで、未だ現役との情報は信頼に値する。