【255】渡船で着発 | 酔いどれパパのブログ

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【254】からのつづき


富山県営渡船は、潟湖だったエリアを富山新港として整備する際に開けられた港口によって分断された越ノ潟地区と堀岡地区を結んでおり運賃は無料。

2012年に新湊大橋が開通した際には渡船の廃止も議論されたようだが、現在もこうして地元民や観光客を乗せて約800メートルの航路を行き来している。
5分ほどで対岸が近づいてきて、堀岡発着場に船体からスロープを渡すと、キックボードの女の子や自転車を押したイケメン男子が降りていく。

この気軽さが渡船の魅力であり現存の理由だろうと思いながら下船して発着場と船を眺めていると、雨が降ってきた。

10分ほど歩いて新湊大橋に設けられた「あいの風プロムナード」に上がろかと考えていたが、黒い雲が垂れ込めてきたので再び船に乗り込み、「着発」で堀岡発着場をあとにする。

雷が鳴ったらコワイので、自動ドアで仕切られた小さな客室に逃げ込み、スマホをいじる若い男性とともに越ノ潟到着を待つ。
地元の足である無料の渡船ですぐに引き返すのは気がひけるが、そうした観光客は珍しくないのか、越ノ潟で船員さんに堀岡から引き返す便について尋ねた時に「チャクハツで戻るなら、そのまま乗っててもいいですよ」と言われ赤面した。

航行時間往復10分の小さな船旅を終えて越ノ潟発着場に戻ると、万葉線の旧型車両が発車時刻を待っていた。
(つづく)