【250】からのつづき
高岡駅前のホテルで目が覚めテレビの天気予報に目をやると、今日の北陸地方は終日雨でかなりの降水量が予想されている。
高岡市内の古い町並みや大仏、古城公園などを巡ってから、初乗りとなる万葉線で途中下車を繰り返しながら沿線観光を楽しもうと考えていたが、今日はあきらめた方がよさそう。
今夜も高岡泊で明日は天気が回復しそうなので、今日は「歩く旅」から「乗る旅」に切り替えることにする。
高岡から出る路線で未乗なのは、万葉線のほかJR城端線と氷見線が残っており、ゆっくりホテルを出て2線の乗り鉄を楽しんだ後、早い時間から一杯やるにはちょうどいい。
どちらも単純に往復するだけではつまらないので、城端線乗車前にちょいと変化をつけることにした。
そこで選んだのが、高岡駅から五箇山・白川郷を結ぶその名も「世界遺産バス」。
この路線は、途中城端駅に寄るので城端線の単純往復を避けるにはもってこいだが、せっかくだから白川郷まで窓越しの景色で目を癒やして、帰り道で城端線に乗り換えることにした。
高岡駅前の乗り場に立つと、観光タイプの車両が入ってきて私を含めて4人が乗り込む。

荒天予報のせいもあってか新幹線駅である新高岡からの乗客はなく、4人だけを乗せて北陸道~東海北陸道を通って城端駅に向かう。
高速道路上の表示板は、雨による東海北陸道荘川~美並間の通行止めを伝えているが、このバスは城端から先は下道を走るので今のところ影響はない。
城端駅から2人が乗車して6人を乗せたバスは、国道304号を進んで五箇山エリアに入り、世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」を構成する越中五箇山相倉集落の最寄りバス停に着くと、私以外の5人が下車して入れ替わりに3人が乗ってくる。
悪天候にもめげずバスを乗り降りして点在する合掌造りの集落を巡る熱意には頭が下がると思いつつ、世界遺産がすぐそばにありながらバスに乗り続ける自分が異端なのだと反省する。
バスは終点白川郷には11時45分に到着予定で、次の高岡駅行きまでは2時間ほどあるが、もしかすると同じく11時45分に白川郷を出る一つ前の高岡駅行きに間に合うかも知れない。
と言うのも、白川郷の一つ手前の停留所である鳩ヶ谷の発車時刻が11時35分になっているのに対して、白川郷発のバスでは鳩ヶ谷を5分後に発車することになっているから、11時40分頃白川郷に着く可能性が高い。
白川郷まで来て5分の「着発」で折り返すのは異端というより異常に近い所業だが、白川郷は以前来たことがあるし、あらためて天気の良い日にクルマで五箇山の集落と一緒に回りたい気持ちがあるので、今回はすぐに折り返すことにする。