【177】E217系 | 酔いどれパパのブログ

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【176】からのつづき


所用を済ませて上総牛久駅に戻ると、今朝五井駅で見かけたキハ40形が養老渓谷行きとして発車してゆく。

飛び乗って養老渓谷までの景色を楽しみたいところだが、今日のところは東京に戻らなければならないので、途中で昼食を済ませてから千葉に着くと、この車両が快速東京行きとして発車を待っている。
3月のダイヤ改正で姿を消すとされているE217系。
総武快速・横須賀線の車両は、山手線と色違いのE235系(写真右)への置き換えが進み、E217系はすでに3編成にまで数を減らしているとの情報に触れたばかりだったので、千葉駅のホームで発車を待っている姿を目にした時は少々驚いた。

切妻前頭部の235系に対して、217系ではなめらかな曲線が加えられており、近郊形電車に初めてクラッシャブルゾーン(踏切事故などの際に運転士や乗客への影響を抑えるために、破壊されることを前提に設計された部分)とサバイバルゾーン(乗務員・乗客を保護する部分)を設けるに当たって、前後方向に長くなる乗務員室の外観上のデザイン処理に傾けられたこだわりのようなものを感じる。

デザインを担当したのは、成田エクスプレスなども手がけているGKインダストリアルデザインで、1995年にグッドデザイン賞を受賞している。
発車時刻が迫っていたので、E235系にはないセミクロスシート(ボックスシートと壁を背にしたシートを組み合わせた座席配置)車両に乗り込んで、ボックス席の進行方向右側に腰掛けるとすぐに発車。
E217系は、総武快速・横須賀線で長らく活躍していた3ドアセミクロスシート(改造によりロングシート車両も存在)の113系の後継として1994年に登場したが、通勤形電車より長い距離を走る近郊形電車としては初めてとなる4ドアとなり、基本的な仕様は通勤電車に近づいた。

実際、E217系をベースに造られた後継のE231・E233系は、通勤形電車・近郊形電車の区分を統合した「一般形電車」と位置付けられ、共通化された基本設計に投入線区に合わせた仕様を施すという車両製造・投入の方針に舵が切られた。

年間数百両を置き換え続けなければならないJR東日本にとって、車両仕様の共通化・標準化は経営にも関わる重要なファクターであることは理解できるものの、趣味人の視点から見ると、どこへ行っても似たような電車ばかりというのは味気なく寂しい。

そんなことを考えていると列車は市川を出て都内に入り、スマホやカメラのレンズを向ける人の姿を見ながら新小岩、錦糸町に停まったのち、地下に潜って東京まであと3駅。

これでE217系に乗るのは最後だろうなぁ、と思いながら新日本橋で最後の一駅間への発車を待つが動き出す気配がない。

車内放送がかかり、横須賀線の沿線火災により東京駅が満線のため、しばらく運転を見合わせるとのこと。

このあとの予定があるので、無念ながらE217系を降りて階段を上がり、長い連絡通路を歩いて東京メトロ銀座線に乗り換えた。
(おわり)