【93】クラフトビール列車① | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、茨城県内で一杯。


向かったのは、常磐線下り普通列車で茨城県に入って3駅目の龍ケ崎市駅。

2020年3月に佐貫という駅名から改称されたが、隣接する関東鉄道竜ヶ崎線(竜鉄)の駅は佐貫のまま。
これは竜鉄の終点が「竜ヶ崎」という駅名であり誤解を避けるという理由のほか、IC乗車券の対象エリアが広がるにつれて改称に伴う費用負担が増大しているなど大人の事情もあるようだ。

ちなみに、JRは市名に合わせた「龍」、関東鉄道は「竜」を用いるため紛らわしい上、常磐線の千葉県・馬橋駅から出る旧・総武流山電鉄が2008年に「流鉄」に改称され、同じ「りゅうてつ」と発するあたりも、それぞれの地元民以外は頭を悩ませるところ。

もっとも、流鉄の方は「流鉄株式会社」という正式社名であり、千葉県周辺なら鉄道関係者以外にも一定程度認知されているのに対して、竜鉄の表記には同線周辺でしか接する機会がないと言ってもいいほどのローカルネーム。
今回の龍ケ崎市訪問は上のポスターの通り、そんな竜鉄の愛称を冠したビール列車で喉を鳴らすため。

関東鉄道のビール列車と言えば、本線とも言える常総線(取手~岩館間)で、予約制の列車が不定期ながら年に数回運行されており、私も3回乗車したことがある。

常総線は路線延長が50キロを超え、つくばエクスプレスとの接続駅で都心からのアクセスがいい途中駅の守谷から運行してもビールを楽しむ時間をゆっくり取ることができる上、筑波山を車窓に眺めながら杯を傾けるという旅情も伴う。

対して竜鉄は、全長わずか4.5キロ所要時間7分というミニ路線。

そんな竜鉄でのビール列車運行実現には、同業者の先輩で関鉄レールファンCLUB名誉会長を務めるJMさんが大きく関わっており、今回もJMさんからお声がけをいただき参加した。

竜鉄ホームに向かうと、昭和感溢れるこの顔が迎えてくれる。
竜鉄は、わずか3両のディーゼルカーで運行されており、そのうち唯一の昭和生まれがこのキハ532形。

この車両がビール列車かと思いきや、車内にそれらしき雰囲気はない。
あれれ、と思いながらホームに降りて前方に進むと、こうした看板が。
ビール列車は、定期列車の竜ヶ崎方に連結された平成生まれのキハ2000形が会場となっているらしく、新旧2両が顔をつき合わせている。
キハ2000形は、地元の高校生らがデザインした「まいりゅう号」で、四季折々の景色の中を、龍ケ崎市をイメージした竜のキャラクター「まいりゅう」が舞う外装となっている。

そんな「まいりゅう号」の車内に入ると、JMさんをはじめとする見覚えのあるお顔がいくつか。

ビール列車の正式な営業開始は70分後となっているので、車内はまだ関係者ばかり。

空いているシートに腰掛けて、準備の進む車内の様子を眺めていると、11時50分になり佐貫発竜ヶ崎行き29列車として出発。

ビールはしばらくお預けにして、まずは私にとって約20年ぶりとなる竜鉄の旅を味わうことにした。
(つづく)