【83】からのつづき
平和通り商店街の2階にある海鮮食堂へと上がる階段で順番を待っていると、中から店の方が出てきて、「いま召し上がり始めたお客さまが多いので、しばらくお待ちいただきます」とおっしゃり店内に戻っていく。
13時の熱海にしては列が短いなぁと思っていたが、直前に客が入れ替わったばかりのようで、ガラス越しに店内の様子をうかがうと、確かに食べ始めの雰囲気が伝わってくる。
今日は、ただの観光客になると決めているので腹はたたないが、砂浜で熱せられた後に急な坂道を上がってきた体からは汗があふれ、頂き物の会津木綿の扇子で自分と息子の体に風を送る。
30分ほど待つと若いグループ客が次々に出てきて、入れ替わりに小上がりの座敷を案内される。