スカイブリッジ歩いて渡る | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

(前ページからのつづき)


前回は平日夜に天空橋からバスで渡った多摩川スカイブリッジを、今回は土曜の昼間に川崎市側から歩いて渡る。

全長674メートルと700メートルに満たない橋ながら、多摩川をまたぐ部分の最大支間長240メートルは複合ラーメン構造では国内最大級だそう。羽田空港の沖合い展開工事でも話題になったが、河口付近では生態系や漁業権、災害などに考慮して可能な限り水の流れを変えない工夫が求められるだけに、高度な技術(や過度なコスト)が投じられるのだろう。

もちろん渡りながらそんな技術的特徴を感じるはずもなく、脇の車道を行き交うケータリング車をはじめとする空港関係車両などを眺めながら上り勾配を進む。

歩道と車道の間には自転車用の車線も用意されていて、時折ロードバイクや電動アシスト自転車が通り過ぎていく。歩行者とも何度かすれ違い、散歩やジョギング、観光らしき方に交じってスーツケースを引きずる女性もいる。

多摩川の河口に最も近い橋だけあって川幅は広いが、師走とは思えない穏やかな気候のおかげで風もなく、快適な徒歩での渡り初め。
勾配が下りに変わると、正面に羽田空港の駐機場が見えてきて、その手前をモノレールが横切っている。
この橋のおかげで川崎市から羽田空港地区にダイレクトにアクセスできるようになり、空港関連をはじめとする車両のルート選択の幅が広がったわけだが、計画段階では長年メインルートを預かってきた東京都大田区が猛反対したというから呆れる。

川の上部を過ぎ大田区側の岸を見下ろすと遊歩道が整備されていて、橋から階段で降りるとベンチなども用意されており、穏やかな師走の昼下がりをゆっくりと過ごす人たちの姿がある。
遊歩道で立ち止まり、ゆったりした曲線で構成されたスカイブリッジを眺めると、渡っている時には気付くことの出来なかった美しさに見惚れる。
この美しさを評価され土木学会田中賞(作品部門)を受賞したというのもうなずける。

徒歩での渡橋に満足し、天空橋駅を目指して歩くと、一段高い堤防にカメラを構える人々が並び、全てのレンズは羽田空港側を向いている。

駐機場で休む飛行機や滑走路での離着陸を狙う「スポッター」と呼ばれる方々で、超望遠レンズを構えて並ぶさまは何らかの軍事訓練のようにも見える。

大師橋駅からのバスをキングスフロント東で降りてから約45分で天空橋駅に到着。
京浜急行で大森町に向かい、この日から始まった「大田×川崎×京急 湯沸(ゆ~わく)まちめぐりスタンプラリー」の最初のスタンプをもらい、大きな湯舟で体をほぐした。
(おわり)