(前ページからのつづき)
山口で地の魚と地酒を楽しんだ翌朝、多少の二日酔いを帯びつつ新山口駅のホームに立つと、こんな光景が。

左は115系3000番台でイエローの色合いから「タクアン」、右は夕べ乗ったキハ40系列で、やはりカラーリングから「タラコ」の愛称があり、コンビニで白飯を調達して、これらの車両を眺めながら一気にかき込みたくなる。
岡山や広島に新車の導入が続くいま、山口は国鉄型電車に残された数少ない楽園。
昨日はタラコを味わったので、今日はタクアンをいただこうと、左の下関行きに乗り込む。
115系3000番台は、顔こそ115系だが、側面や車内はかつての「シティーライナー」こと117系とそっくり。

山陽本線は、宮島口以西と姫路~岡山間が未乗だったので、新山口から西は初乗りだが、沿線に海は見えず単調な田園風景が続く。
宇部と小野田でまとまった乗車があり、席が8割方埋まる。
山陽本線は、かつてのメインルートだが、現在の新山口~下関間には日中ほぼ1時間ごとにワンマン運転の普通列車が走るだけで、今乗っている列車も前の便から1時間以上間隔が開いている。
地元民主体の乗客と国鉄型電車内でののどかな時間を過ごし、新山口から約1時間10分で下関到着すると、フグの提灯とコンビニの「獺祭あります」の貼り紙が迎えてくれる。

乗客が消えたホームに残り、大陸航路との連絡拠点として賑わっていた頃の雰囲気を想像したあと、駅前ターミナルでバスウォッチ。

自社発注らしき先代エルガ。
深めのブルーと側面ガラスのブラックがキマってる。

こちらは元都バスのエアロスターでシートモケットは「みんくる」柄のままのようだが、ガラスはしっかりブラック処理済みで、黄色いラッピングとのコントラストが強い。
国鉄型電車に揺られて着いた雨の下関で、バスを見ながらしばし佇んだのち、次なる目的地に向けてふたたびホームに上がった。
(おわり)