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改札待ちの列を背に、売店で買ったメダルを目的の自販機に投入。

南会津町にある4つの酒蔵の日本酒が試飲できるもので1杯200円。
駅構内の試飲自販機と言えば、新潟県内全蔵の利き酒ができる越後湯沢駅構内「ぽんしゅ館」の壮観な酒販機ウォールが有名だが、会津田島駅に置かれたものはこじんまりとした佇まいながら、酒どころ福島県の駅構内では最初の1台だそうだ。
もちろん、先ほど訪れた国権酒造さんのものもあり、 レギュラーは「特別純米 國権 夢の香」、今月のおすすめには「純米生原酒 國権 垂れ口」が用意されている。
生原酒好きの私は通常なら後者に惹かれるところだが、二日酔い明けの体は最初の1杯に夢の香を欲した。
プラスチックカップにチョロチョロと70ミリが注がれた夢の香に口を付けると改札が始まり、客の列がホームに吸い込まれていく。
プラカップ片手に改札を抜けて、たった1両の会津若松行きの車内に入ると、程よく席が埋まっており、最後尾に見つけた1人掛けのシートに腰を降ろすと、列車は夕暮れの会津田島をあとにした。
(つづく)