6050系 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

(前ページからのつづき)

下今市に着くと、これから乗る会津田島行きが階段を渡った隣のホームに止まっているが、2両編成の車内には立ち客も見える。


急ぎ足で階段を上り下りして会津田島行きの車両に入ると、やはり満席に近くデッキ付近は立ち客があふれている。声を掛けながら隙間を縫って通路を進むと、虫食いのように1人分が空いている4人掛けボックスがいくつかあったので、そのうちのひとつに座り発車を待つ。


東武日光からの列車の客が次々に乗り換えてくると、通路にまで人があふれ、通勤列車のような混雑で下今市を発車。ゆっくり大谷川を渡り、その名も大谷向(だいやむこう)に着くと、ホームで待っていた親子連れが混雑で車内に入ることができず、車掌さんが駆け寄ってドア付近の客に中に詰めるよう呼びかける。


混んではいるが、新しい生活洋式が定着したせいか車内は思いのほか静かで、栃木の山あいを進む列車のサウンドが心地よい。


大桑、新高徳、小佐越と小駅に止まるが車内に大きな動きはなく、東武ワールドスクエアでは数人が降りた代わりにその倍くらいの乗車があって、混雑が限界に達したと感じた頃、鬼怒川温泉に到着し大量下車。


座っていたボックスも私だけとなり、やっとひと息。発車すると左手には鬼怒川沿いに建てられた大規模温泉ホテルや廃墟さながらの姿を晒した元ホテルの建物が並んでおり、それらを眺めながらゆっくり進むと鬼怒川公園に到着。


ここから先は私にとって未乗区間。鬼怒川沿いに進む風景は先ほどまでと大きく変わることはないが、沿線に積もった雪が厚くなる。ひと駅走って東武鬼怒川線の終点新藤原に到着し、めでたく東武鉄道全線制覇。


ここで運転士さんが交替し野岩鉄道に入っていく。この下今市発会津田島行きは、東武鉄道~野岩鉄道~会津鉄道を直通運転して栃木県と福島県を結ぶが、3月の改正で特急とAIZUマウントエクスプレス以外の直通運転は廃止される。


昭和61年の東武鉄道~野岩鉄道直通運転開始時から使われてきた6050系でこれらの区間を通しで味わうことができるのも3月まで。リバティ満席につき東武日光を経由してから普通列車で北上する仕儀となったが、結果的にはこれでよかったと思う。


実は、ダイヤ改正による普通列車の直通運転廃止については何も知らず、沿線でカメラを構える方々の姿を見て何故だろうとスマホで調べて理解したのだった(東武鉄道に対するアンテナ低くてスミマセン)。


6050系は、「きりふり」の350系同様に昭和40年代に造られた車両の足回りを活用して製造されたが、33本中11本は昭和60年代に足回りを含め新造されており、乗った車両はその新造グループで野岩鉄道所属車。


3月の改正以降は、主たる舞台が野岩鉄道内に狭まると思われるが、末永い活躍を祈りたい。

野岩鉄道に入り、トンネルを抜けながら北上すると、沿線の雪がますます深くなり、旅に出たとの実感が高まってきた。
(つづく)