廃線トンネルぶらぶら | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、武蔵村山市内で廃線跡ぶらぶら。

武蔵村山市は立川市のほぼ北側に位置しており東京都内で唯一鉄道駅のない市として知られる。
そんな「鉄なし市」にも、かつては多摩川の砂利を運ぶ軽便鉄道が敷かれており、今でも一部がサイクリングロードとして残されている。

多摩川の砂利輸送といえば、前頁の下河原線や昨年秋に歩いた福生河原支線と同じで、建設資材として多摩川の砂利が重宝されていたことがわかる。

武蔵村山市内の廃線跡は、野山北公園自転車道として約4キロメートルが整備されており、横田基地に近い西側半分はほぼ東西に平地を一直線に走っているが、東側区間に入ると東北東に針路を変えトンネルも散在する。

今回は東側区間を歩くことにして、多摩モノレールの北端駅である上北台から武蔵村山市の市内循環バス「MMシャトル」に乗り込む。「MMシャトル」は、武蔵村山市内を中心に4ルートが設定されており、乗り込んだ上北台ルートは35~50分ヘッドで13往復(休日ダイヤ、日中のみ運行)が運転されている。

20分ほどで横田トンネル前に到着し、ぶらぶら散歩開始。
単線の軽便鉄道とあって小口径トンネルだが、自転車と歩行者が行き交うには十分な空間。
壁面はあちこちから水が染み出だしており、一部は補修が施されている。
のんびり3分ほど歩いて横田トンネルを抜けると、すぐに次の赤堀トンネルが口を開けているのが見える。
心の中で警笛を鳴らし赤堀トンネルに入り、時折マスクを外しながらトンネルの雰囲気を五感で楽しむ。先ほどの横田トンネルより短いが、出口付近がわずかにカーブを描いており、廃線跡らしい風情がある。
赤堀トンネルを歩き終えると、すぐに御岳トンネルが現れ、機関車の煙がトンネルの狭間の山あいを昇ってゆく風景が思い浮かぶ。
御岳トンネルを抜けると、右にカーブしながら左に池を眺め、変則五差路のような交差点に突き当たる。

御岳トンネルからのルートを左折した先には赤坂トンネルがあり、例によって心の汽笛を鳴らして進入。時折走り来る自転車を避けながら機関士気分でトンネルを進む。いずれのトンネル内にも非常用ボタンが設置され、自転車道の開放時間が日中に限られているところに防犯管理が必要だという現実をみる思いがする。
赤坂トンネルを出てしばらくすると、舗装されていた自転車道は獣道のような状態となり、枯れ葉を踏みしめながら進むと、柵で入口を覆われたトンネルに突き当たる。

先に進むことは難しそうなので、これにて廃線トンネル巡り終了。赤坂トンネルを戻り、先ほどの交差点を直進して廃線跡から離れて南に向かう切り通しを抜ける。
坂を下り神社でお参りをしてから青梅街道に出て、武蔵村山市役所前で立川駅行きのバスを待つ。ここからは、西武バスと立川バスを合わせて立川駅まで1時間に4本程度が運転されており、加えて都内最長路線の都営バス「梅70」系統も停まるためバス停のポールも3本建っている。
歩き足りない感じを抱きながら立川バスに揺られ、夕方の立川駅北口に降り立ち中央線で帰路に就いた。