北24条 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、札幌で一杯。

札幌に転勤した吞み仲間と待ち合わせたのは、札幌市営地下鉄南北線で、さっぽろ駅(地下鉄駅は、ひらがな表記ですね)から北に3駅進んだ北24条(きたにじゅうよじょう)駅。通称ニーヨン。

札幌に来ると、札幌駅前の「味百仙」、新京極通りの「ふらの」、狸小路の「魚菜」あたりに寄ることは、すでにこのブログに記したが、今回は彼の生活エリアで新たな店の指南を受けるべく、初めての下車となる北24条駅に降り立った。

改札口を出て、挨拶もそこそこに彼の案内で地上に出ると、夕方のターミナルといった風情で駅前のバスターミナルからは帰宅客を乗せたバスが発車し、歩道では家路を急ぐ人々が行き交うが、東京のような殺伐とした雰囲気はない。

最初に案内されたのは、1971年に北24条に地下鉄がやってきた頃から営業されている「平次」さん。
東京の下町あたりの酒場に似通う雰囲気は私好みで、だから彼は1軒目に選んでくれたのだろう。
カウンターに彼と並んで座り、ビールで乾杯して久闊を叙す。飾らぬ店内は時が止まったようで、北24条が1978年まで地下鉄南北線の終点だった頃を想像させる。

80歳を過ぎた親父さんから、東京オリンピックのマラソン競技は店の前の道路がコースになっていることなどをうかがいながら、ゆっくりと店の雰囲気になじんでいくが、新型コロナでオリンピックはどうなることやら。

身欠きニシンで北の誉の熱燗をやっていると、常連さんが入ってきて、われわれが東京の人間だと知ると、渋谷の大学に通われていた頃の思い出を楽しそうに口にされ、こちらも柔らかい心持ちになる。

40分ほどの滞在だったが、十分に印象深い時間を送ることができて感謝。

彼の選んでくれた2軒目は、平次さんから程近い雑居ビルの2階にある「がりょう」さん。
酒も肴も逸品揃いで、目も舌も利く彼にふさわしい名店。
ニシンの刺身で夕張郡栗山町にある小林酒造の酒などを傾けていると、常連さんたちが親しげな様子で彼に話しかけてきて、やはりこの街でも彼はしっかり受け入れられ、愛されているのだと嬉しくなる。

日本酒を3種類ほどいただいて、3軒目はバーに案内される。
やはり、ここでも常連さんたちに優しく迎え入れられ、ニーヨンの夜は心地良く更けた。