地元で一杯 | 酔いどれパパのブログ

酔いどれパパのブログ

「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、豊洲で一杯。

入店したのは、毎日のように看板を目にしている豊洲駅前のビル2階にある「ぶらり家」。

無知な私は、このお店が駅前にある日本のセブンーイレブン第1号店直上という立地から、周囲の大規模オフィスに勤めるビジネスマンやタワーマンションの住民を相手にしている今どきの大箱飲食店、というイメージを勝手に抱き、1度も入店したことがなかった。

ある時、そのセブンーイレブンのオーナーさんが著された「セブンーイレブン1号店 繁盛する商い」(PHP新書 山本憲司著)に目を通したら、1号店をビルに建て替える際に、地元の方々への恩返しのつもりで2階を居酒屋、3階を銘酒の楽しめるカラオケ屋にして、弟さんに経営を任せたと書いてあった。

ちなみにセブンーイレブンを始める前は、「山本茂商店」という豊洲がまだ戦後の焼け跡だった頃から酒を商ってきたお店だったそうだ。この土地で長年にわたり酒を扱い、私の生まれた年に日本で初めてのセブンーイレブンを始め、建て替えの際に地域の人に喜んでもらえる場所を提供するために2階を居酒屋にしたーー。このストーリーに触発された単純な私は、豊洲に住んで7年が過ぎた今夏、遅ればせながら初入店を果たしたのだった。

洒落た内装に気後れしながら、カウンター席に腰掛けレモンサワーを注文すると、「グラスにしますか?ジョッキにしますか?」と聞かれたので、ジョッキで注文。程なく生レモンサワーが供され、お通し3種盛りをアテにゴクゴクやると、下町の他の居酒屋で一杯やる時と変わらぬ解放感。何だか急に親近感が湧いてきて、追加したサンマ刺身と大七熱燗をやると、すっかりリラックス。

二杯目の日本酒に大那を冷やでいただき、モロ梅キューとともに味わう。味噌と梅肉を交互につけながらキュウリをかじり、それとなく店内を見回すと、会社帰りのサラリーマンや若いカップル、ママさん集団や地元在住とおぼしきファミリーなど、さまざまな人達が楽しそうに酒や料理を楽しんでおり、開店に際しての「地域の人に喜んでもらえる場所を提供する」という目的は十分に果たされているようだ。

酒もなかなか気の利いたラインアップで、この日の3杯目は五人娘、再訪時には朝日栄と紗利を熱燗、十ロ万と駿州中屋を冷酒でいただき、満足した。

7月に「せ・ぼん」豊洲店が閉店して以降、地元で気の利いた日本酒を置くアットホームな居酒屋を探していたが、こんなに目立つところにあったとは。これからも、家の扉を開ける前に一息つきたい時などに、気軽に立ち寄りたい。