カウンセリングと仏教は、心の働きや自己認識に焦点を当てています。

カウンセリングでは相談者が自分自身や自分の感情、思考、

信念を理解するためのプロセスから気づきを促し、

仏教では瞑想や内省を通じて、自己認識力を高め、

心の平静や叡智を発展させることを目指します。

仏教と心理学は、異なるアプローチを持ちながらも、

人間の心や幸福について深く考察し、向上させるための共通の目標が存在しています。

 

認知療法は、重要な仏教用語であるサティ(パーリー語)の

訳語として英語のマインドフルネスを使用しています。

サティの意味は要約すると「気づき」といってよいでしょう。

行動療法の創始者ベックは仏教の道元をヒントに、

ユングは密教のマンダラを参考に研究しています。

アドラー心理学もどうすれば幸福になれるかということを

課題(心理社会的問題)としている点、仏教と同じ知の体系です。

 

人の心に扉があるとすれば、その取っ手は心の内側にしかついていません。

カウンセリングや心理学の専門書だけでは、心の扉を開けることは困難です。

 

シッダールタ・ゴータマ(釈迦)は、

行動変容を目的とした人類初の優れたカウンセラーであったに違いありません。

心理学やカウンセリングをより深く学びたい人におすすめの書籍を紹介します。

 

「ブッタのことば スッタニパータ」「龍樹」 中村元 著