以前からブルーライトは、
長めの波長のオレンジ光と比べて、
メラトニン分泌を大幅に抑えることが指摘されていた。
つまり、夜にこの光を浴びると、
良質な睡眠をもたらすメラトニンが十分に分泌されないことで睡眠障害が起きたり、ブルーライトが視交叉上核に働きかけるため、
夜中なのに体内時計をリセットし、
そのリズム(概日リズム)を狂わせてしまったりする危険性がある。
実際、20歳前後の若者で、
深夜にブルーライトを増強してタブレットを使用する実験を行ったところ、
なんと、メラトニン分泌量が
使用開始1時間で約50%、
2時間で約65%抑制されたという報告もある。
がんに関しては、
女性の深夜労働もしくはタイムシフトワークによる
乳がんリスクの上昇が問題視されている。
フランスで行われた研究では、
夜勤経験者は非経験者よりも
乳がんの発症リスクが1.35 倍高かったという結果も出ている。
さらに、うつ病患者では、
体内時計に大きな乱れが生じている可能性があるという研究も発表されている。
疾病の増加と不規則な生活はもちろん、
PC、スマホの普及も何らかの関係があると疑わざるを得ない。
近年はウェブの拡大と利便性で
メディアも健康被害を取り上げなくなっているが、
便利なものは人を傷つけるということを肝に命じてきたい。